2001 Fiscal Year Annual Research Report
サイクリン依存性キナーゼ阻害酵素Weelのタンパク質分解による不活性化機構の解析
Project/Area Number |
13043053
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
渡邉 信元 理化学研究所, 抗生物質研究室, 先任研究員 (90221689)
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Keywords | 細胞周期 / Wee1 / タンパク質分解 / プロテインキナーゼ / チェックポイント制御 |
Research Abstract |
1)Wee1Hu(Wee1A)タンパク質の分解機構の解析 プロテアソーム活性阻害剤(LLnL)による解析によりWee1Huの細胞周期を通じた分解はプロテアソーム依存に行われていることを明らかにした. プロテインキナーゼ触媒領域(catalytic domain)のN端側の外側のアミノ酸配列がプロテアソーム依存分解に必要であることを,欠失変異させたWee1を導入する解析により,明らかにした.さらにこの領域に存在するリジンをアルギニンに変異させると,Wee1のユビキチン化が著しく減少し,LLnLによるWee1タンパク質量の増大が起こらなくなったことから,この領域のリジンのユビキチン化が間期におけるWee1の分解に必須であることを明らかにした. 2)Wee1Hu(Wee1A)タンパク質の分解とG2/Mチェックポイント DNA複製阻害,DNA損傷などM期開始を阻止する刺激(G2/Mチェックポイント刺激)により,細胞のWee1量は増加する.プロテアソーム依存のWee1の分解機構がG2/Mチェックポイント刺激と関連するものか否かの解析を行った.細胞をG1/S期に同調しDNA損傷を与えた後,S期に進入させ,同時にLLnL処理を行った.あるいは,S期に進入させずにDNA複製阻害剤を与え続け,同時にLLnL処理を行った.これらのどちらの場合にも,少なくともM期進入以前には,LLnL処理によるWee1タンパク質量の増加が対照と同様に認められた.従って,間期におけるプロテアソーム依存Wee1分解はDNA複製阻害,DNA損傷などM期開始を阻止する刺激(G2/Mチェックポイント刺激)に影響されないことが明らかになった.
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