2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13043058
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 政光 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00182460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雅信 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (60221082)
廣瀬 富美子 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 助教授 (60208882)
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Keywords | ショウジョウバエ / 転写因子 / DREF / 翻訳開始因子 / eIF4a / ルシフェラーゼアッセイ / クロマチン免疫沈降法 / 複製関連遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では、発生工学的手法と遺伝学的手法を用いることが容易なショウジョウバエをモデル実験系として用い、増殖シグナルによるDNA複製関連遺伝子の発現誘導の機構と、分化シグナルによる発現抑制の機構を、分子生物学的、細胞生物学的及び遺伝学的手法を用いて解明し、増殖と分化を統合的に制御するシステムを明らかにすることを目的とする。 ショウジョウバエの複製・増殖関連遺伝子のマスター制御転写因子DREFの複眼原基特異的過剰発現系統の示すrough eye表現型を指標とした遺伝学的スクリーニングを平成17年度も継続して行なった。その結果rough eye表現型を変更する突然変異として、新たにskpA遺伝子やRhoGAP遺伝子群を同定した。また、また平成16年度までに同定したDREF遺伝子と遺伝学的相互作用する遺伝子eIF4a遺伝子は、プロモーター領域にDREF結合配列(DRE)を持つので、DREFに直接制御される標的遺伝子であると考えられた。野生型とDREに変異を導入したeIF4a遺伝子プロモーターをルシフェラーゼ遺伝子に連結後、ショウジョウバエ培養細胞に導入してルシフェラーゼアッセイを行なった結果、予想通りDREがプロモーター活性に必須であることが確認できた。また抗DREF抗体を用いた唾腺染色体の免疫染色を行い、eIF4a遺伝子が存在するバンドが免疫染色されることも確認した。さらに抗DREF抗体を用いたクロマチン免疫沈降法(Chip assay)を行なった結果、DREFがeIF4a遺伝子プロモータリーを含むゲノム領域に細胞内で実際に結合していることが明らかになった。これらの結果は、eIF4a遺伝子がDREFにより直接制御されていることを示唆する。eIF4aは翻訳開始因子である。またユビキチンリガーゼを制御するSCF複合体のひとつであるSkpAをコードする遺伝子もDREFの標的遺伝子であると思われることとあわせて、増殖に伴うタンパク質代謝回転(合成と分解)の活発化にDREFが重要な役割を果たしていることが考えられる。
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Research Products
(4 results)