2001 Fiscal Year Annual Research Report
ホヤ無尾幼生の進化に伴う遺伝子プログラムの変化の解析
Project/Area Number |
13045040
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
日下部 岳広 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (40280862)
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Keywords | ホヤ / オタマジャクシ型幼生 / 無尾幼生 / 神経系 / 形態進化 / 分子進化 / 進化発生生物学 |
Research Abstract |
1.ホヤ幼生神経系の発生に関わる遺伝子の同定と発現パターンの解析: カタユウレイボヤの幼生神経系の発生に関わる遺伝子(発生調節遺伝子および特異的分化マーカー)の単離と発現パターンの解析を行なった。(1)中枢神経系全体で発現するGタンパク質αサブユニット、眼点の視細胞で特異的に発現するオプシン、脳胞と運動ニューロンで発現する新規Gタンパク質共役型受容体、平衡器に隣接する少数の神経細胞で特異的に発現するcGMPホスホジエステラーゼδサブユニット、などのcDNAを単離し、それぞれの発現パターンを明らかにした。(2)カタユウレイボヤのPax-6 cDNAを単離し、発現パターンを明らかにした。いくつかの発生段階でサイトカラシン処理により細胞分裂を阻害した胚における遺伝子発現パターンを調べ、細胞系譜との関連を検討した。 2.モルグラ科ホヤの神経系の発生と形態の解析: 無尾幼生を生じる無尾種の大半はモルグラ科に属する。カタユウレイボヤで得られた神経系特異的遺伝子の情報を活用し、以下の3つの方法により、モルグラ科ホヤの無尾幼生と有尾幼生の神経系の発生と形態の比較解析を行った。(1)カタユウレイボヤcDNAの配列をもとにホヤ幼生の神経系を特異的に認識する抗体を作製した。(2)抗アセチル化チュブリン抗体を用いて幼生を免疫染色することにより、モルグラ科の有尾幼生・無尾幼生を含む数種のホヤの幼生の神経系の構造を比較した。有尾種Molgula oculataの個体間で脳内感覚器の形態に顕著な多様性がみられることと、無尾種Molgula occultaが退化した神経系をもつことを明らかにした。(3)有尾種と無尾種の様々な発生段階の胚およびRNAをサンプリングし、RT-PCRおよびcDNAライブラリーのスクリーニングにより神経系特異的遺伝子のcDNAの単離が進行中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takehiro Kusakabe: "Gene expression profiles in tadpole larval of Ciona intestinalis"Developmental Biology. 242・2. 188-203 (2002)
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[Publications] Takehiro Kusakabe: "Ci-opsin1,a vertebrate-type opsin gene,expressed in the larval a cellus of the ascidian Ciona intestinalis"FEBS Letters. 506・1. 69-72 (2001)
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[Publications] Takehiro Kusakabe: "Evolution of anural development in ascidians:role of muscle-specific differentiation genes"The Biology of Ascidians. 1. 235-239 (2001)
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[Publications] Takehiro Kusakabe: "A cis-regulatory element essential for photoreceptor-specific expression of a medaka retinal guanylyl cyclase gene"Development Genes and Evolution. 211・3. 145-149 (2001)
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[Publications] Yutaka Satou: "Ciona intestinalis cDNA projects:EST analyses and gene expression profiles during embryogenesis"Gene. (in press). (2002)