2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13051101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 義一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40114590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野本 明男 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70112670)
松藤 千弥 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50192753)
坂本 博 神戸大学, 理学部, 教授 (00187048)
塩見 春彦 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (60202107)
渡辺 公綱 生物情報解析研究センター, センター長(研究職) (00134502)
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Keywords | RNA / ネットワーク / RNA蛋白質複合体 / 高次複合機能 / 分子擬態 / ポストゲノム / 転写後調節 / 翻訳調節 |
Research Abstract |
本領域は総括班と4つの計画研究班及び公募研究から構成され、緊密な連絡の下に領域全体および各班の研究目標を達成するように推進された。各研究班の研究成果の概要は以下の通りである。 (総括班)1)総括班会議を平成16年8月8日(於熊本市)と平成17年1月7日(於三島市)に開催した。2)公開シンポジウムを平成16年8月8日(於熊本市)に開催した。3)中間評価のために全班員の業績評価ならびに計画項目の再検討を行い中間評価報告書を作成、ヒアリング審査をうけた。4)中間評価は最高点「A」の判定であった。5)合同班会議を平成17年1月6〜8日(於三島市)に開催した。6)RNA Network Newsletter第5、6号を発行し、メディアを含む関係方面へ各2000部配送し、領域研究の啓蒙を行った。7)ニュースレターが(財)日本Graphic Service工業会主催の平成16年度印刷機材連合会会長賞を受賞した。 (A01班・RNPマシーン)RNPマシーンに関する構造生物学的な解析が進展、特に、リボソームの機能解析や多数のRNA結合性タンパク質の構造解析及び相互作用機序に関する解析が予定通り、あるいはそれを上回る速度で進捗した。分子擬態に関する理解が一層進み、ペプチドアンチコドン説が確立したことは特筆したい。 (A02班・RNA制御スイッチ)翻訳調節を中心とするRNAシグナルと制御因子との相互作用に関して、各種の生物系ならびに遺伝子系でユニークな解析システムが設営され解析が進展した。 (A03班・動くRNA)RNAやRNA結合タンパク質の核・細胞質間輸送を制御する分子機構、選択的スプライシングなどのRNA情報多様化機構、及びRNAの局在化を制御する分子機構に焦点を当てた本研究項目では、4つの計画研究において当初の計画が概ね予定通り進展した。 (A04班・高次複合系RNA動態)、脆弱X症候群の分子機序をショウジョウバエの遺伝学及び生化学を用いて行なって研究により、ショウジョウバエ脆弱X相同遺伝子(dFMR1)を欠失したハエが概日リズムの異常と記憶障害を示すことも見出した。同時に、生化学的解析によりdFMR1タンパク質がRNAi必須因子AGO2を含むRNAi/miRNA分子装置に組み込まれた因子であることを明らかにした。これは「RNAi分子装置の異常による疾患」というヒト分子遺伝学の全く新しい領域を開くさきがけとして高く評価され、RNAi/miRNA分子経路が脳神経系の機能と形態形成に関与している可能性が明らかになった。
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Research Products
(44 results)