Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相良 明男 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20187058)
久保田 雄輔 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (50023726)
和田 元 同志社大学, 工学部, 教授 (30201263)
徳永 和俊 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40227583)
車田 亮 茨城大学, 工学部, 助教授 (60170099)
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Research Abstract |
タングステン材料に対し,プラズマ照射した材料の解析が進んだ。重水素プラズマについて,常温から850度Cまでの条件で10^<26>/m^2までの照射を行い,プラズマスプレイコーティング材料と焼結タングステン,単結晶タングステンの間の比較を行った。常温から100度Cまでは,どのタングステン材料についてもブリスターの生成が認められた。単結晶,焼結タングステンでは照射時の温度を上げるにつれてブリスターの生成がなくなる領域が見られたのに対し,プラズマスプレイコーティング材料についてはもっとも高い温度領域までブリスター生成が見られた。ただし,高温領域のブリスターは直径0.2ミクロン程度の小さなものとなる。これらの材料について昇温脱離法により,D_2,HDなどのガス放出を調べると,ブリスター生成とほぼ創刊する結果が得られた。D_2,HDの挙動に大きな差はないが,プラズマスプレイコーティング材料の場合広い温度範囲で脱離挙動が見られるのに対し,焼結材料では脱離の温度ピークが700度以上の高温側にあることがわかった。タングステン材料の製造方法により,水素照射への反応が異なることが明らかになり,プラズマスプレイコーティング材料の採用に当たってはより詳細な評価が必要であることがわかった。 ドイツとの共同研究による極限熱負荷試験では,電子ビーム照射部から飛散するタングステンマクロ粒子が観察された。飛跡の解析により,飛散する粒子の表面の放射率が飛行中に変化する現象が始めて観察された。このような現象は炭素標的では見られないため,液体状で飛散をはじめた粒子が途中で固化することによるものと推察される。 トカマクにおけるタングステン・無酸素銅接合材の局所熱負荷試験では,タングステンが溶融しない条件で基板の銅が溶融し,タングステン表面に移動する現象が観察され,高熱流条件化では基板の温度上昇の評価も重要であることが示された。 プラズマスプレイコーティング法についてこれまでに得られた技術的な蓄積を基礎に,ブランケットの候補材料であるバナジウム合金のプラズマ対向部へのタングステン被覆を試みつつある。1度目の試作では,0.5mm程度の厚みのコーティング膜生成に成功し,基板のバナジウム合金特性に致命的な変化がないことを確認した。今後さらに暑いコーティング膜生成を試みる。
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