2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13123202
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐分 晴夫 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70093036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樹神 成 三重大学, 人文学部, 教授 (20186703)
杉浦 一孝 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40154463)
長田 博 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (40233506)
安田 信之 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (00242884)
大久保 泰甫 南山大学, 外国語学部, 教授 (90022417)
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Keywords | アジア法整備 / 学会と連携 / 国内法のハーモナイゼーション / WTO加入 / アジア法学会 / 伝統法 / マハリャ / 司法改革 |
Research Abstract |
アジア法整備の国際的条件に関する研究については、本研究を学会と連携して行うという課題を実現するために、本科研プロジェクトと共催で、国際法学会とは「多様性のなかの統一;アジアからみた21世紀の国際法」というテーマで、日本国際経済法学会とは「アジアの視点から見た国際経済法の発展」というテーマで、国際シンポジウムを開催した。アジアの体制移行国における法整備支援のための国際的環境の理解に不可欠な、国際法における普遍的なものとアジア的独自性について、および、経済統合と国内法のハーモナイゼーションに関する問題について、それぞれの学会と協力して研究ができた。また、当科研プロジェクトがこれらの問題の研究でセンター的役割を果たすべく国際的な人的ネットワークが形成された。 対象国の国内法整備の主たる動機であるWTO加入問題について、ベトナムでは国家と法研究所および商業省と共催でシンポジウムを行い、ベトナムのWTO加入準備と法整備の現状と課題を明らかにした。また、国際機関が国内法整備についてどのような取り組みをしており、どのような課題を抱えているかについて、UNDP、WTO、UNCTAD、UNEP等で、聞き取り調査をした。これにより、これらの機関が進めている「キャパシティ・ビルディング」にお1ナる法整備支援の位置づけについて明らかになった。 アジア法研究では、アジア法学会と共同し、昨年に引き続き若手研究者をタイ、韓国およびインドネシアに派遣して、その研究を助成した。また、アメリカのワシントン大学アジア法センター所長を招聘し、アジア法研究の将来を検討するためのシンポジウムを開催した。これらの成果は、『アジア法研究の新たな地平』として刊行される。 ウズベキスタンについては、昨年度の研究成果にもとづいて、伝統法(慣習)が機能する地域共同体であるマハリャ(住民の自治機関かつ行政の末端機関)についての国際シンポジウムをタシケント国立法科大学との共催で開催するとともに、昨年度に引き続き、サマルカンドおよびブハラにおけるマハリャのいくつかを補充的に調査し、それによってその組織および活動の実態の一部が明らかにされた。また、ウズベキスタンについては、「日本とウズベキスタンの司法改革」というテーマでも国際セミナーを開き、ウズベキスタンの司法改革の現状と課題が鮮明にされ、司法改革における法整備支援のあり方を考える契機があたえられた。 モンゴルについては、本年度、「土地法制の諸問題」を素材にして法整備支援のあり方を今後本格的に研究するための予備調査を行った。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 佐分晴夫: "WTOの現状と課題-新貿易交渉を手がかりとして-"日本国際経済法学会年報. 12号. 147-164 (2003)
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[Publications] 佐分晴夫: "国際経済秩序における地域的経済統合の意義"ジュリスト. 10月15日号. 10-19 (2003)
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[Publications] 安田信之: "東アジア競争法の生成過程"北大法学論集. 54巻5号. 1631-1658 (2003)
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[Publications] 安田信之: "広域地域と法:東アジア地域を例として"地域の法社会学:法社会学. 59号. 22-36 (2003)
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[Publications] 樹神 成: "ウズベキスタンのマハラと法"社会体制と法. 4号. 53-65 (2003)
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[Publications] Yasuda, Nobuyuki, Antons, Christoph (ed.): "Law and Development in East and South-east Asian Countries. ("Law and Development in Southeast Asian Perspective : Methodology, History and Paradigm Change")"Routledge-Curzon. 387(25-68) (2003)
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[Publications] Yasuda, Nobuyuki, Sakumoto, N.: "Law, Development and Socio-Economic Changes in Asia Law and Development in East and South-east Asian Countries. ("How Can Law Interact with Society? : A note on Recent Law Reform Movements in Asia")"IDE/JETRO. 403(3-27) (2003)
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[Publications] 安田信之: "フィリピン共和国憲法-概要と翻訳(衆憲資第19号)"衆議院憲法調査会事務局. 140 (2003)
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[Publications] 安田信之 他: "アジア法学会報告集「アジア法研究の新たな地平」"アジア法学会名古屋大学法政国際教育協力研究センター. 140 (2003)
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[Publications] 杉浦一孝 他: "現代ロシア法(「第4章 裁判」のうち「第1節 裁判制度」「第2節 検察官制度と弁護士制度」「第3節 憲法裁判所」)"東京大学出版会. 117-143 (2003)