2002 Fiscal Year Annual Research Report
機能ゲノミクス・プロテオミクスのための次世代バイオナノデバイスの創製
Project/Area Number |
13124206
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
馬場 嘉信 徳島大学, 薬学部, 教授 (30183916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 修 立命館大学, 理工学部, 教授 (20288624)
田岡 万悟 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60271160)
篠原 康雄 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (60226157)
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Keywords | ナノバイオ / 半導体超微細化 / ゲノム / バイオテクノロジー / プロテオーム |
Research Abstract |
LIGAプロセスで作成したマイクロ加工の鋳型をもとに、ニッケル電鋳により金型を作成し、ホットエンボシングにより、マイクロチップの作成技術を確立した。また、微細加工技術に基づいて、タンパク質解析用のチップを試作し、チップ上でのタンパク質解析の条件を検討した。 マイクロチャンネル内への高分子添加剤の開発を行い、この添加剤の濃度と高分子の種類を変更し、タンパク質解析の条件を検討した。その結果、糖鎖を含む溶液を添加することにより、マイクロチャンネルの内壁へのタンパク質の吸着を防ぐことが可能になり、タンパク質の解析の高速化と高分解能化を達成した。さらに、タンパク質をマイクロチャンネル中に導入するために、電場と圧力を併用する方法を考案し、最適な導入条件では、タンパク質の分離能力が、従来法より著しく向上することを見出した。 早稲田大学庄子教授の研究グループと共同研究を進めることができるようになり、庄子教授のグループが進めているマイクロフルイディクスの研究成果に基づいた、流体シミュレーションを行うことが可能になった。さらに、このシミュレーションにより、タンパク質解析の最適条件をこれまでより短時間で見いだすことが出来るようになった。 以上の検討結果ならびに、シミュレーション結果をもとに、解析条件の最適化を行い、タンパクの解析の高性能化に成功した。さらに、この条件をマルチチャンネルチップに適用し、同時に多数のタンパクサンプルを解析できる条件を検討し、12サンプルを15秒で解析できることを明らかにした。さらに、マルチチャンネルチップにより、分子量5千〜20万までのタンパク質を解析できる条件を確立し、白血病関連細胞の熱ショックアポトーシスへの解析に応用した。 これらの結果は、プロテオーム解析を目指す、タンパクの高スループット解析および将来のタンパクによる携帯型診断技術開発にとって重要な成果である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Tabuchi: "The Novel Injection Method for High-Speed Proteome Analysis by Capillary Electrophoresis"Electrophoresis. 23(7). 1138-1145 (2002)
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[Publications] M.Hino: "Requirement of Continuous Transcription for Synthesis of Sufficient Amount of Protein by Cell Free Rapid Translation System"Protein Expression and Purification. 24. 255-259 (2002)
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[Publications] M.Tabuchi: "Possible Mediation between Transcriptome and Proteome by Cell-Free Protein Synthesis on a Microchip"Proteomics. 2. 435-435 (2002)
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[Publications] M.Jabasini: "Fast Analysis of DNA Polymorphims on the Human Y Chromosome by Using Microchip Electrophoresis"Electrophoresis. 23(10). 1537-1542 (2002)
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[Publications] F.Dang: "Characterization of electrophoretic behavior of oligosaccharide isomers investigated by microchip Electrophoresis coupled with videomicroscopy"Anal. Chem.. 75(印刷中). (2003)
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[Publications] F.Xu: "Relationship between Width and Migration Time Used in Double-Stranded DNA Separation by Microchip Electrophoresis"Analyst. (印刷中). (2003)