2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子、タンパク機能評価のための新しいセンシング概念の創製
Project/Area Number |
13124207
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Research Institution | Deaprtment of Applied Chemistry, Faculty of Engineering, Kyushu University |
Principal Investigator |
片山 佳樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70284528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 一嘉 神奈川科学技術アカデミー, 研究員 (20270704)
村田 正治 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30304744)
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Keywords | バイオセンサ / バイオチップ / 表面プラズモン / 質量分析 / 内分泌撹乱物質 / 核内受容体 / 細胞内情報伝達系 / ポストゲノム |
Research Abstract |
本研究では、高速かつ高性能に遺伝子やタンパクの機能評価を行える全く新しいセンシングシステムの開発を目的としている。前年度はエストロゲン受容体を固定化したバイオセンサを開発したが、同様にタンパクへのリガンド結合をスクリーニングできるシステムとして甲状腺ホルモン受容体及びダイオキシン受容体のリガンド結合ドメインを遺伝子組み換えにより発現し、これを金電極上に固定化したバイオセンサを開発した。これらのセンサは、各々の受容体に対するリガンド存在下で選択的に応答し、その感度はRI法に匹敵した。また、2次元SPR法により、細胞内シグナルをプロファイリングするためのバイオチップの開発を検討し、各種プロテインキナーゼに対する基質ペプチドを固定化して、単離酵素による反応後、抗リン酸化抗体を用いて、基質のリン酸化を検出することに成功した。また、昨年度開発した質量分析法を用いる細胞シグナル評価法に関して、種々の薬物刺激による計測結果を、標的シグナルに対するプロモータを用いるレポーター遺伝子発現実験の結果と比較した。その結果、細胞表現型としての遺伝子発現結果と、本手法で求めたプロテインキナーゼ活性変化の結果は、完全に相関性があり、当該手法が、細胞機能の指標となりえることが示唆された。これらの手法は、多種類のプロテインキナーゼを同時に評価できるシステムとして、遺伝子やタンパクの機能解析、薬物のスクリーニング法として期待できる。 また、近接場光学顕微鏡のファイバープローブ製作技術を用いて、微細な円錐構造を有するSPRマイクロセンサの開発に成功した。また、円錐構造のマイクロセンサでのSPR検出に関する応答メカニズムを理論的に明らかにすることに成功した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masaharu Murata et al.: "Piezo electric sensor for endocrine-disrupting chemicals using receptor-co-factor interaction"Analytical Sciences. 19. 1355-1357 (2003)
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[Publications] 村田正治ら: "レセプター固定化センサによる内分泌撹乱物質の高速センシング"資源環境対策. 39・6. 80-85 (2003)
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[Publications] Masaharu Murata et al.: "An electrochemical device for the assay of the interaction between a dioxin receptor and its various ligands"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 14・1. 137-141 (2004)
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[Publications] Yoshiki Katayama et al.: "Mass-tag Technology for Monitoring of Protein Kinase Activity using Mass Spectroscopy"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter. 14. 847-850 (2004)