2001 Fiscal Year Annual Research Report
隔膜セルを用いた反応分離型触媒による部分酸化活性の制御
Project/Area Number |
13126206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山中 一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90240051)
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Keywords | グリーンプロセス / 燃料電池 / 部分酸化 / 反応分離 / メンブレンリアクター / オレフィン / 窒素酸化物 / 電極反応 |
Research Abstract |
これまでの部分酸化反応は発熱反応であるため反応制御が困難でり、触媒をいくら工夫しても反応速度あるいは生成物選択性を迅速に制御することは決して容易なことではなかった。我々は、反応速度および生成物の選択性を外部から任意かつ迅速に制御可能な次世代の部分酸化プロセスとして、燃料電池反応システムの応用を考案した。 燃料電池は、燃料と酸素を|陽極|電解質膜|陰極|からなる隔膜の両側に導入し、電気化学的に燃料(反応物)を完全酸化させ、これに伴う自由エネルギー変化を電力として取り出すデバイスである。我々は、陽極の電極触媒を改良することにより酸化活性を制御し、部分酸化活性を発現できることを見出した。 我々は[エチレン、水蒸気|Pd-陽極|リン酸電解質膜|Pt-陰極|酸素]からなる反応システムを用いることにより、両電極間を短絡するだけで燃料電池の原理で電流が流れ、触媒的にエチレンの部分酸化生成物であるアセトアルデヒドが選択率よく生成することを見出している。この反応システムは電解合成ではあるが、外部からは電圧を全く掛けておらず、反応システム全体としては触媒反応である。また、|Pd-陽極|リン酸電解質膜|Pt-陰極|を隔膜として、反応物と酸素が分離したままの状態、つまり酸化反応場と還元反応場を物理的に隔てた状態で触媒反応を実施することができる特長を有している。さらに、本反応システムは燃料電池でもあるので発電も可能である。つまり有用な化学品と電力とのコ・ジェネレーションが可能となった。さらにアセトアルデヒド生成活性を向上させることを目的に色々と検討した結果、カソードの酸素気流中にNOを添加すると電流密度が10倍に増加し、これに伴ってアセトアルデヒド生成速度も10倍に加速することを見出した。アセトアルデヒド選択性は96%以上であり、選択的に部分酸化反応が進行した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ichiro Yamanaka: "Design of alkene-(O_2+NO) cell system for the partial oxidation of alkenes"Catalysis Today. 61. 115-122 (2001)
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[Publications] Ichiro Yamanaka: "Partial oxidation of alkenes by a membrane catalyst conducting H^+ and e^-"Catalysis Communication. 2. 151-154 (2001)
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[Publications] Ichiro Yamanaka: "Partial oxidation of alkenes by a membrane catalyst utilizing fuel cell reactions"Catalysis Today. 71. 189-197 (2001)
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[Publications] Ichiro Yamanaka: "An Alkene-NOx Cell for the Wacker-Type Oxidation of Alkenes"Journal of Electrochemcal Society. 148. D4-D8 (2001)