2002 Fiscal Year Annual Research Report
スラリー相におけるFT合成用バイモダル触媒の機能制御
Project/Area Number |
13126208
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
椿 範立 富山大学, 工学部, 教授 (00272401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 嘉治 富山大学, 工学部, 講師 (30240386)
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Keywords | バイモダル担体 / フィッシャー・トロプッシュ合成 / ジルコニア |
Research Abstract |
大小の異なる細孔径を持つバイモダル触媒の開発を行った。大きな細孔は反応ガスの触媒粒子内拡散と,生成する炭化水素の触媒外部への拡散を促進し,小さな細孔は高比表面積と金属粒子の高分散状態を維持する。これらの大小の細孔径により,原料の拡散律速の制限なく,液相での高い活性と高い物質移動効率を実現できる。 本年はメソポアを有するシリカ担体Q-50にジルコニアを含浸させて担体を調製した後,コバルトを担持させ,コバルト触媒のフィッシャートロプシュ(FT)合成反応への性能を調べた。ジルコニアバイモダル担体でも3.2nmと45nmの2つの細孔径が存在し,担体はバイモダル構造を持つ事が分かった。すなわちこの調製法により任意のバイモダル担体を作れることが分かった。 ジルコニアはFT反応に対して化学的な作用を持つ事が知られているため,ジルコニアバイモダル担体を用いたコバルト触媒はシリカバイモダルのものよりもはるかに高い活性を持つと予想されたため,ジルコニアバイモダル触媒の液相FT合成反応を行い,触媒の性能を調べた。ジルコニアバイモダル触媒ではCO反応率が86%とシリカバイモダルの33%よりはるかに高く,今回の反応では最高の反応率となった。シリカバイモダル触媒とジルコニアバイモダル触媒はそのバイモダル構造がほとんど同じことから,CO反応率の違いは新たに生成したジルコニアによる化学的な作用によるものと考えられた。これらのことからジルコニアバイモダル触媒はバイモダル構造によるだけでなく,ジルコニアの化学的な作用により触媒活性が高くなったことを示している。 本年開発したジルコニアバイモダル触媒は,メタンとCO_2選択率が低く,CO反応率が高いという,バイモダル触媒に期待される性質を示し,且つジルコニアの化学作用のため非常に反応率が高いという優れた性能を示した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y.Zhang, Y.Yoneyama, N.Tsubaki: "Simultaneous Introduction of Chemical Effect and Spatial Effect via a New Bimodal Catalyst Support Preparation Method"Chemical Communications. 1216-1217 (2002)