2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13126215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
林 弘 徳島大学, 工学部, 教授 (00035627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 茂 徳島大学, 工学部, 助教授 (70175404)
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Keywords | 亜硝酸性窒素 / 湿式還元分解 / Pd触媒 / 触媒分子反応工学 / グリーンケミストリー |
Research Abstract |
本研究では亜硝酸塩の希薄水溶液について湿式還元分解による亜硝酸性窒素から分子状窒素への変換を検討し、本年度は、室温、常圧での水素還元という温和な条件で分解可能な触媒系を取り上げ迅速分解による大量水溶液の実用処理に対する知見を得た。亜硝酸性窒素NO_2^-はPd/Cにより迅速に分解し、室温、常圧の懸濁触媒系でも10分間程度で完全に分解した。分解速度は強くpHに依存し、酸性から中性領域で著しく速く、零次のため極微濃度まで迅速分解を継続するが、塩基性域では一次分解の挙動を示した。このように、微酸性領域(pH4〜6)では十分の分解活性を発揮し、大量の希薄水溶液の処理に適した機能を示した。しかし、触媒量が極端に少なくなると反応が遅くなり、触媒微粉末が周辺の液塊と共回りして未反応基質を含む液との接触効率が低下していることを示した。また、微粉末触媒の固定床では圧損のため流速の低い範囲でしか通液できず、適切な装置形式の選定が望まれる。そこで、椰子殻炭に担持させた0.5%Pd/Cを検討した。この粗粒充填層では圧損の問題はなく21cm/secという高い線速度で通液できて、固定床でも高い変化率でNO_2^-を分解できた。しかし、零次となるべき亜硝酸性窒素の分解が低濃度ではずれることが観測された。粒径が大きいため表面から少し深いところににあるPdの影響が示唆される。活性炭自体が薄膜の触媒であればPdの深さ分布の影響は軽減されるはずである。そこで、圧損回避も目的として、ウレタン基材に活性炭含有インクエマルジョンを用いて活性炭を固定化した材料を担体としてPdを担持して活性を検討する計画を立てている。上記のようにNO_2^-は、活性炭に担持した高分散Pd触媒により迅速に分解できる。本年度はこの分解生成物である窒素の定量や毒性の高いヒドロキシルアミンへの変換は確認できていない。来年度は、備品設備として導入し、本年度十分に活用できる状態にした微量ガス分析計を用いて検討したい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 林 弘: "化学的捕捉を利用する湿性CO_2の高分離プロセス"エコインダストリー. 7号・1巻. 13-19 (2002)
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[Publications] 林 弘: "硝酸含有窒素の処理"環境触媒ハンドブック. 79-84 (2001)
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[Publications] Shigeru Sugiyama: "Oxidative Dehydrogenation of Propane on Magnesium Vanadates in the Presence of Tetrachloromethane"Bulletin of the Chemical Society of Japan. Vol.75,No.1. 181-188 (2002)