2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13128205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上垣外 正己 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00273475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金岡 鍾局 大阪大学, 理学研究科, 講師 (10275167)
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Keywords | リビング重合 / 星型ポリマー / ラジカル重合 / カチオン重合 / 重縮合 / 金属触媒 / レドックス / ナノ空間 |
Research Abstract |
本研究は、リビングラジカル重合およびリビングカチオン重合さらに縮合反応・重付加反応を用いて、星型ポリマーの核や枝部分に官能基、さらに金属錯体を導入し、ナノ空間が制御されたレドックス反応場を有するポリマーの合成を行ったものである。 1.リビングラジカル重合による星型ポリマー ルテニウム錯体を用いてメタクリル酸メチルのリビングラジカル重合を行い、得られた直鎖状のリビングポリマーを、ホスフィンを有するモノマーの存在下でジビニル化合物によりリンキングさせ、核部分にルテニウム錯体を有する星型ポリマーを高収率(90%以上)で得た。反応条件により、重量平均分子量30-60万、枝の本数20-30本、半径8-13nmの、大きさの揃った星型ポリマーの合成が可能であった。星型ポリマーの核部分にルテニウム錯体が存在することを、紫外可視分光装置、透過型電子顕微鏡、誘導結合高周波プラズマ発光分光分析により確認し、条件により、触媒のルテニウムはほぼ完全に星型ポリマーに導入可能であった。この金属錯体を有する星型ポリマーは、アルコールからケトンへの酸化反応の触媒として働くことがわかった。 2.リビングカチオン重合による星型ポリマー ビニルエーテルのリビングカチオン重合により合成した二種類の枝からなる両親媒性ヘテロアーム星型ポリマーが、水溶液の表面張力、疎水性化合物の可溶化の結果から、単分子でミセルとして働くことを明らかにした。これらの星型ポリマーは枝に対応する直鎖状ポリマーに比べて、疎水性化合物を取り込む能力に優れていた。このような星型ポリマーの枝に、触媒を導入するため、側鎖にクロロを有するリビングポリマーとジビニル化合物を反応させ、星型ポリマーを合成した。さらに、側鎖のクロロをホスフィンに変換し、ルテニウムを配位させることに成功した。また、ポリマー結合反応に、温和な条件で行える従来のラジカル重合、重縮合などを用いる新しい合成法を開発した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masami Kamigaito: "Star Poly(methyl methacrylate) with End-Functionalized Arm Chains by Ruthenium-Catalyzed Living Radical Polymerization"J.Polym.Sci., Part A, Polym.Chem.. 40・12. 1972-1982 (2002)
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[Publications] Shokyoku Kanaoka: "Amphiphilic Heteroarm Star-Shaped Polymers by Living Cationic Polymerization : A Unique Behavior in Aqueous Solution"Macromolecules. 35・12. 4564-4566 (2002)
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[Publications] Shokyoku Kanaoka: "Synthesis of Multibranched Polymers by Linking Reactions of Linear Block Copolymers with Pendant Viny1 Groups by Conventional Radical Polymerization"Polym.J.. 35・2. 167-172 (2003)
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[Publications] 上垣外 正己: "リビングラジカル重合による核に金属錯体を有する星型ポリマーの合成"高分子学会予稿集. 51・2. 361-361 (2002)
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[Publications] 上垣外 正己: "リビングラジカル重合による核に金属錯体を有する星型ポリマーの合成と触媒機能"高分子学会予稿集. 51・7. 1383-1383 (2002)
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[Publications] 金岡 鍾局: "星型ポリマーのリビングカチオン重合による精密合成とその機能化"高分子学会予稿集. 51・7. 1273-1274 (2002)