2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13128206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平尾 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90116088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 浩一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20212128)
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Keywords | レドックス / 共役系 / 遷移金属錯体 / 電子移動 / 共役錯体 / ポルフィリン / ジピリジル錯体 / 次元設計 |
Research Abstract |
レドックス活性部位を複数個有する配位子で、それぞれの活性部位が共役した錯体システムでは、遷移金属間のコミュニケーションが配位子の共役バックボーン鎖を通して可能になると考えられる。d.π共役系を有する一種のクラスター型錯体と位置づけられる。π共役系高分子や分子をレドックス活性配位子とし、遷移金属錯体との錯形成により対応する共役錯体を合成した。π共役系分子であるキノンジイミン誘導体と遷移金属が連続的に並んだ錯体システム合成では、各々のコンポーネントの次元を制御することで、直鎖状錯体システムと環状錯体システムを構築した。環状パラジウム錯体システムは3:3の錯体で、その構造はX線構造解析より明らかになった。 π共役系分子や高分子を次元的に規制・結合させれば、共役系が拡大または規制配列された共役系が得られると考えられる。ポルフィリンなどの環状分子を土台としてπ共役鎖を導入し、次元的に規制配列したπ共役系を構築した。ポルフィリン環のアトロプ異性を考慮し、異性体の構造がπ電子系に反映することを明らかにしてきた。π共役鎖のレドックス機能を利用すれば、レドックススイッチングレセプターになると考えられる。.次いで、ポルフィリンを亜鉛錯体に誘導した。この亜鉛錯体とDABCOのような二座配位子との錯形成により、より高次な三次元系であるサンドイッチ型錯体を合成した。土台ポルフィリンであるレドツクス部位との電子的相互作用や電子移動が見られた。π共役分子をルテニウムジピリジル錯体をベースに次元的に規制配列させることにより、両者の特性を有するレドックスシステムを形成させた。このシステムはスイッチングが可能な光誘起電子移動が見られた。過渡吸収スペクトル測定により、その電子移動過程を明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Moriuchi: "Novel Redox-Active Conjugated Palladium Homobimetallic Complex"European J.Inorg.Chem.. 3. 651-657 (2001)
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[Publications] T.Moriuchi: "Chirality Organization of Ferrocenes Bearing Podand Dipeptide Chains : Synthesis and Structural Characterization"J.Am.Chem.Soc.. 123(1). 68-75 (2001)
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[Publications] T.Moriuchi: "Intramolecular Conformational Control in Ferrocenes Bearing Podand Dipeptide Chains"Organometallics. 20(5). 1008-1013 (2001)
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[Publications] T.Hirao: "Ruthenium Complexes Bearing p-Conjugated Pendant Moieties for a Redox-Switching System"Chem.Commun.. 5. 431-432 (2001)
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[Publications] T.Hirao: "Conjugated Complexes via Oxidative Complexation of Polyaniline Derivatives to Vanadium (III)"Synth.Met.. 123(3). 373-376 (2001)
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[Publications] T.Moriuchi: "Structural Characterization and Complex Behavior of Ferrocene Bearing Dipeptide Chain (-L-Ala-L-Pro-NHPy)"J.Organometal. Chem.. 637-639. 75-79 (2001)
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[Publications] T.Moriuchi: "Conjugated Complexes Composed of Quinodiimine and Palladium. Controlled Formation of a Conjugated Trimetallic Macrocycle"Angew.Chem.Int.Ed.. 40(16). 3052-3055 (2001)