2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマン・システム・インタラクションに基づく知識の評価と選択
Project/Area Number |
13131201
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大澤 幸生 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (20273609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 健一 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40344858)
寺野 隆雄 筑波大学, 社会工学系, 教授 (20227523)
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Keywords | チャンス発見 / シナリオマップ / 二重らせんプロセス |
Research Abstract |
医療データからシナリオ創造を行う枠組みを、ほぼ完成した。これは従来からわれわれが独自に提案してきた二重螺旋プロセスというチャンス発見手法の中で、シナリオマップとよぶ対象環境の地図を可視化し、その上でユーザたちが環境におけるさまざまなできごとのシナリオを描くことによって注目に値するシナリオを創造するものである。 今回対象とした医療データの場合、肝炎の進行・肝炎の治療過程のシナリオというものが、上記シナリオマップとして可視化されたキーグラフを用いた二重螺旋プロセスを経ることによって明らかになった。このプロセスは、外科医・内科医という視点の異なる肝炎の専門家が立ち会って、チャンス発見手法のユーザとして肝炎のさまざまな進行・治療のシナリオを議論しながら理解を深めた。その結果、B型肝炎では鉄の減少したタイミングでインターフェロンを投与することが治療に効果がある、また、C型の場合も鉄代謝はインターフェロンの効果に影響するといったことが明らかとなった。このほかにも医師が明示的な知識としては気付きにくかった医療知識を発見することができた。いずれも医療上有効な発見といえる。 本年度はさらに、ビジネス文書管理、文書からのチャンス発見に役立つ情報クリッピング技術なども開発したほか、スパムメールを自動発見するアルゴリズムおよびシステムの開発を行い、いずれも有用性を検証している。特にスパムメールの発見についてはこれまでにない高精度でこれを実現することができるので、一般のメールユーザにも朗報といえる研究成果である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 臼井優樹, 大澤幸生: "生地メーカーにおける暗黙的顧客ニーズの発見"日本知能情報ファジィ学会論文誌. 15・3. 275-285 (2003)
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[Publications] 松村真宏, 加藤 優, 大澤幸生, 石塚 満: "議論構造の可視化による論点の発見と理解"日本知能情報ファジィ学会論文誌. 15・5. 554-564 (2003)
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[Publications] 松村真宏, 三浦麻子, 柴内康文, 大澤幸生, 石塚 満: "2ちゃんねるが盛り上がるダイナミズム"情報処理学会 論文集. 45・3(公刊予定). (2004)
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[Publications] N.Matsumura, A.Miura, Y.Shibanai, Y.Ohsawa: "The Dynamism of Ni-Channel"Journal of AI & Society. (公刊予定). (2004)
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[Publications] 高橋大志, 寺野隆雄: "エージェントモデルによる金融市場のミクロマクロ構造の分析:リスクマネジメントと資産価格変動"電子情報通信学会論文誌 D-I. J86・D-I・8. 618-628 (2003)
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[Publications] S.Katsuno, K.Sugauchi, O.Tsunehiro, K.Yamazaki, K.Yoshida, H.Esaki: "Asymmetric Characteristics of Internet Based on Traffic Measurement and Analysis"電子情報通信学会英文誌D. E86-D・11. 2300-2309 (2003)
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[Publications] Yukio Ohsawa, Peter McBurney: "Chance Discovery"Springer Verlag. 430 (2003)