2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13133202
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻田 義治 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70016591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦上 忠 関西大学, 工学部, 教授 (80067701)
吉水 広明 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (10240350)
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Keywords | シンジオタクチックポリスチレン / δ型コンプレックス結晶 / 分子キャビティー / メゾフェイズ含有sPS膜 / α型結晶 / 架橋PDMS膜 / カリックスアレン / 揮発性有機化合物の除去 |
Research Abstract |
1,サイズ・形状・連結性等が高度に制御された「分子キャビティー」を構築しているシンジオタクチックポリスチレン(sPS)膜をし,その分離特性を詳細に検討した.まず,種々の溶媒分子をゲスト分子として規則正しく包接して形成されるsPSのδ型コンプレックス結晶からゲスト分子を取り出し,その抜け後が「分子キャビティー」とみなせる,メゾフェイズ構造含有sPS膜のトルエン収・脱着挙動を,キャリアー液体にメタノールを用いて検討した.その結果,非晶質相中よりもメゾフェイズ構造相中におけるトルエンの拡散性が高いことが分かり,この膜の拡散律速による分離性能が証明された.一方,sPSのα型結晶もまたsPS分子軸方向に平行で連続して連結したキャピラリー形状の「分子キャビティー」を備えている.膜中の結晶成分が増えるにもかかわらず気体透過係数が増大するという,これまでの高分子膜の常識では考えられない現象を世界で初めて発見した.更に,このα型結晶が提供する「分子キャビティー」の断面サイズより大きな気体分子の透過は不可能である事実も確認でき,アルカンガスの高効率分離の新手法が提案できた. 2,水中にごく僅かに溶け込んだ揮発性有機化合物(VOCs)の除去を可能にする高分子分離膜の開発を念頭に,ポリジメチルシロキサン(PDMS)成分を含むハイブリッド膜の調製を行い,VOCsの選択透過性を検討した.また,これにベンゼンとの親和性が高いカリックスアレン(CA)を「分子キャビティー」として導入した.CA含有架橋PDMS膜のベンゼン除去性能はこれまでに報告された膜より格段に優れていた.
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Research Products
(6 results)