2004 Fiscal Year Annual Research Report
素粒子論および物性理論における場の理論の諸問題の現代的研究
Project/Area Number |
13135201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河本 昇 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50169778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 健三 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90159690)
中山 隆一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30217947)
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Keywords | ツイストされた超対称性 / トポロジカルな場の理論 / 超弦理論 / 非可換な場の理論 / Dirac-Kahlerフェルミオン / 量子ホール効果 / ニュートリノ振動 / 格子上の場の理論 |
Research Abstract |
河本は一般化されたゲージ理論のトポロジカルなYang-Mills作用を量子化することにより、N=2の超対称Yang-Mills理論が定式化できることを更に発展させて2次元の場合にゴーストが物質場としてのフェルミオンに変わる機構と超対称性との関係が明らかになり「超対称性のツイストされた超対称空間での定式化」という超空間の新しい定式化を提唱した。またこのツイストされた超空間を4次元に拡張した定式化が完成し現在論文として投稿中である。この定式化は格子上の物資場であるフェルミオンの式化と密接に関係があり本研究テーマである重力を含むゲージ場の理論の格子上での定式化と関連している。そこでディラック・ケーラーフェルミオンを定式化する際に導入するクリフォード積を、格子上で定式化するために、非可換性を導入した格子上での微分幾何学の定式化を提案した。これまでの研究成果を踏まえ、上記の定式化を格子上での超対称性の定式化に対して応用し、マイルドな非可換性を導入することにより、ツイストされた超対称場の格子上での定式化を完成させた。具体的には、2次元の場合に、量子化されたBF模型、Wess-Zumino模型等に対して定式化をまず行ったが、ヤング・ミルズ型のツイストされた超対称模型に対しても可能であることが明らかになってきた。 石川は(1)量子ホール系で実現している非等方的な多体凝縮状態について、平均場の高次効果の系統的な計算法と計算結果が求め、摂動展開により平均場の揺らぎの効果が取り入れられる事を示した。さらにRPA近似やGRPA近似により、基底状態や励起状態のエネルギーが計算し、一体励起エネルギーに関してはGRPA近似で、変分法によるものと良い一致を得た。また、電磁波吸収が解析され、Kohnの定理がゴールドストーン粒子により受ける影響が解明した。また、(2)ニュートリノ振動の振幅をニュートリノの生成やニュートリノの観測までの関与する粒子の運動量と位置の両変数について、粒子の波束としての性質を考慮にいれた測定精度内での運動量と位置との両変数をパラメーターとする散乱振幅が定式化した。この散乱振幅に基づきニュートリノ振動を解析し、通常の一体的扱いによる振る舞いとの相違が明らかにした。 中山は座標が交換しない4次元球面上の場の理論について研究した。非可換な4次元の球面上の場の量の積を2次元非可換球面上の積を用いて表す方法を提案し、その際現れる特異性を座標近傍の導入によって解消することにより4次元非可換球面上のゲージ理論の構成を行った。また、球面の半径が無限大になる極限で非可換なユークリッド空間になることを示し、インスタントン解に対する自己双対条件を非可換球面の場合に拡張した。
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Research Products
(6 results)