2005 Fiscal Year Annual Research Report
素粒子論および物性理論における場の理論の諸問題の現代的研究
Project/Area Number |
13135201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河本 昇 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50169778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 健三 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90159690)
中山 隆一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30217947)
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Keywords | ツイストされた超対称性 / 格子上の場の理論 / Dirac-Kahlerフェルミオン / 量子ホール効果 / ニュートリノ振動 / 非可換な場の理論 / 超弦理論 |
Research Abstract |
1.河本 ツイストされた超対称ヤング・ミルズ理論を全てのツイストされた超対称電荷に関して格子上で厳密に定式化することに成功した。この定式化は二通りの見方が出来、一つには差分演算子に非可換性を導入する見方、他方で行列としての見方が同等であることを明らかにした。この定式化の種々発展が考えられ現在研究を進めている。 2.石川 ニュートリノ振動の場の理論と量子ホール場の理論との二つのテーマについて研究がされた。 量子ホール効果については、多体効果に起因する物理を理論的に研究し、平行移動対称性や回転対称性を自発的に破る多体状態である非等方的量子ホールガス状態に関して、光吸収の確率を求めKohnの定理との関連を明らかにし、さらに対称性の破れに伴い表れる特異なスペクトルをもつ南部ーゴールドストン励起モードの効果を解明した。 ニュートリノに関しては、電荷をもたず物質との相互作用が極めて弱いニュートリノの特性を考慮にいれた散乱振幅を理論的に求めた。粒子の運動量と位置の両変数の観測に対する散乱振幅をもとめ、性質を解明した。ニュートリノの観測は他の粒子を介して間接的になされることを、考慮に入れてニュートリノ振動を場の理論的に解析し、平面波や波束に対する振動振幅並びにニュートリノ干渉の振幅が求められた。 3.中山 非可換な空間上の場の理論の構成法の開発を行った。非可換な空間上の関数と積はコヒーレント状態を用いて表すことができる。非可換2次元球面はSU(2)代数のコヒーレント状態と関係しているが、当研究ではこのようなコンパクトな空間に対するコヒーレント状態を変形されたハイゼンベルグ代数から導くことができることを示し、さらにこの方法を非可換なトーラスの構成に適用した。 我々のグループでは、通常の研究推進に加え、海外との共同研究及び、冬の学校として組織する研究会の運営の為の資金としてこの特定研究資金が役立っている。特に1.の研究においては、イタリア、トリノのD'Adda氏と超対称理論の格子上での定式化に関する共同研究が行なわれており、研究交流資金として重要な役割を果たしており、大いに成果が上がっている。また本年度の秋の学校においては、日本国内の研究者を多く招き、また海外から研究テーマに適した著名な講師を招く為の資金として本質的な役割を担っている。
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Research Products
(5 results)