2006 Fiscal Year Annual Research Report
素粒子論および物性理論における場の理論の諸問題の現代的研究
Project/Area Number |
13135201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河本 昇 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (50169778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 健三 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (90159690)
中山 隆一 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (30217947)
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Keywords | lattice SUSY / finite temperature and density / strong coupling lattice QCD / 量子ホール効果 / ニュートリノ / 超弦理論 / コセット上のシグマ模型 / 波束 |
Research Abstract |
1.河本は既に出版された格子上でのN=2超対称ヤング・ミルス理論に関しての詳細を記述した論文の完成の為、批判があった定式化の新たな展開を行った。これまで完成されて定式化の3次元への拡張が成功した。更にこの定式化を行列模型として見做した場合の理論の定式化の発展が完成しつつある。 別の方向の研究として、過去に行った定式化の発展として、強結合格子QCDの有限温度、有限密度のSU(3)の解析的相図を完成させた。 2.石川は量子ホール場の理論とニュートリノ振動並びに場の理論について研究した。 (1)特異的な多くの量子現象が発現している強磁場中の2次元電子系(量子ホール系)の多体効果に起因する物理を理論的に研究し、平行移動対称性や回転対称性を自発的に破る多体状態である非等方的量子ホールガス状態に関して、有限電流により相が変わることを見いだし、ストライプ状態や非対称電荷密度波状態についての理解が進んだ。特に、零電流の系と実験で行われている有限電流の系で、異なる相が実現している事がわかり、実験と理論との不一致のパズルが解決した。 (2)波束状態の散乱や、熱力学的な効果についての理解が進み、さらにニュートリノや光の性質を解明中である。 3.中山はリー超群のコセット1G/H上のシグマ模型として記述されるAdS_p X S^p (p=2,3,5)時空中の超弦理論の研究をハミルト二アン形式を用いて行った。これらのシグマ模型は1ループの近似でコンフォーマル不変であることが知られており、カイラル場gに対するグローバルな左G作用(g->ag)対称性と右H作用(g->gb)のゲージ対称性をもっている。この研究では、考えている時空に対応するリー超代数の元が群Z_4によって分類できることを利用してエネルギー・運動量テンソルが(ネーターカレントである左G作用カレントではなく)右G作用変換のカレントに関する2次式(菅原形式)の形で表されることを示し、また、このカレントの代数を求めた。
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