Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風間 洋一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60144317)
加藤 光裕 東京大学, 大学院総合文化研究科, 準教授 (80185876)
橋本 幸士 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (80345074)
小竹 悟 信州大学, 理学部, 教授 (40252051)
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Research Abstract |
1 17年度に米谷はゲージ/弦対応の立場から,Dブレーンの多粒子系の取り扱いに関してDブレーンの場の理論を構築するという全く新しい可能性について考察を進めた.1/2BPS状態にセクターを限ってDブレーンの第2量子化されたフォック空間での取り扱いを試み,Dブレーンの場の理論の出発点とみなす定式化を行った,18年度は,この制限を取り払いより一般的な取り扱いができる枠組みを構築するための研究を進め,Yang-Mills量子力学の第2量子化された演算子形式の構築に成功した.行列模型に関しては,1/2BPS演算子の2点関数とc=1行列模型のS行列との関係について,また,ゲージ/弦対応の重要な例であるWilsonループ演算子期待値の対応関係に関して,以前に開発したトンネリング描像による方法論を応用し大きなR電荷を持った局所演算子とWilsonループに挿入した場合についての対応関係について成果を得た.2風間は、超対称性とローレンツ対称性を同時に明白な形で実現する超弦理論の新形式であるピュアスピノル形式の研究を続行した。前年度に開発した、Green-Schwarz形式を拡張して世界面上の基本作用を構成するdouble-spinor formalismの手法を、超弦理論の背後にあると思われる超膜理論に適用し、古典的運動を完全に支配する閉じた第一種の拘束代数を導出し,量子化を解析する研究を進めた。3 加藤は、弦理論の非摂動論的定式化のひとつである弦の場の理論の研究をおこない、新しい共変的ゲージ固定条件を見出した。その応用として、レベル切断近似によるタキオンポテンシャルのゲージ依存性を調べ、既に知られていたSiegelゲージにおける特異性が物理的なものではないことを示し、滑らかなポテンシャルを得ることに成功した。4橋本は,ゲージ場の理論のソリトンと弦理論のDブレーンとの関係を多角的に研究した。主に、AdS/CFT対応と呼ばれる双対性を量子色力学に応用した際のDブレーンの効果や、宇宙論における宇宙ひもの組み替えの性質についてのDブレーンによる解析、そして超対称性を破る準安定真空におけるソリトンのDブレーンによる調査を行い、成功をおさめた。5小竹は,1自由度の解ける量子力学系に対して,sinusoidal coordinate'と名付けた特別な座標のHeisenberg表示を計算し,その正/負振動数部分を消滅/生成演算子として定義した.これは消滅/生成演算子の統一的な定義を与え,励起状態がHermite, Laguerre, Jacobi多項式で表される量子力学だけでなく,励起状態がMeixner-Pollaczek,連続Hahn,連続双対Hahn, Wilson, Askey-Wilson多項式で表される'離散的'量子力学にも適用される事を示した.
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