2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13135208
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
細谷 暁夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80028258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 秀樹 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80183739)
伊藤 克司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60221769)
白水 哲也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10282716)
綿引 芳之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40212328)
椎野 克 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50313325)
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Keywords | 超弦理論 / ブレーン宇宙 / 量子力学 / 非可換幾何 / 重力 / 量子重力 / 高次元時空 |
Research Abstract |
弦理論に基づく統一理論では,広がりをもつ様々な物体が重要な研究対象になっている.研究を、高次元時空、非可換空間、量子力学との関連の3つに分類する。 (1)白水はブレーンの衝突過程に適用できる有効理論の導出を行ない、ブレーンダイナミクスによるバリオン生成について吟味した。一方、高次元時空におけるブレーン時空における保存量の定義とそれを用いた安定性についての議論を行い、高次元ブラックホール生成の数値解析を行った。石原はMinkowski時空において対称性をもつ弦を分類し、特に5次元Einstei-Maxwell系で,無限遠においてコンパクトな余剰次元をもち,かつ,4次元的に平坦な時空に漸近するような性質をもつブラックホール解を構成し,特異点,事象の地平線など幾何学的な性質を明らかにした綿引は背景次元として10+2次元を持つ超弦理論の量子化、および、その量子論的な構造を詳しく調べ、非常に複雑な代数構造をこの理論を、10+2次元よりもさらに高次元の理論とみなすと、その構造は比較的単純なものであることを示した。このことは、この理論が、10+2次元よりも高い次元の構造の理論を持ち、基本場は、弦ではなく、膜、あるいは、さらに高次元的構造を持つ物体であることを意味する。 (2)伊藤は重力光子を背景場とする弦理論の低エネルギー有効理論となる非反可換超空間上のゲージ理論の構成とその量子効果について研究を行い、非反可換N=2調和超空間上のU(1)ゲージ理論と変形された超対称変換を変形パラメータの一次まで計算し、非反可換N=1超対称上のN=2超対称U(N)ゲージ理論のインスタントン解と中心荷を求めた.椎野は非可換幾何学に基づいた方法により相対性理論の代数化された定式化を行った。この定式化は非可換空間に適応可能であるが、さらに重力の量子化を行うときに拘束条件が代数的に可解であるという利点がある。準古典重力について量子補正を求めるとこれは場の理論による結果と一致することを示した。 (3)細谷は相対性理論と量子情報理論との接点について、すでに出版されている論文についてサーベイし今後の研究の方向性について述べた一連の記事を雑誌「数理科学」に掲載した。内容は量子重力において観測の意味することを明確にするためには量子情報理論が必要になるという考えを述べて、日本の研究者を触発した。
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Research Products
(10 results)