2005 Fiscal Year Annual Research Report
場の理論におけるWILSONくりこみ群と対称性の実現
Project/Area Number |
13135209
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 尤二 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50151262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 克美 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (50242392)
宗 博人 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (20196992)
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Keywords | 場の理論 / くりこみ群 / 格子理論 / カイラル対称性 / ゲージ対称性 / マスター方程式 |
Research Abstract |
本年度の研究業績は 1)Wilsonくりこみ群に固有な運動量切断と両立する新たな「対称性の実現」を、質量項正則化のもとでのカイラル対称性を具体例として、特にくりこみ群の流れの記述に焦点をしぼり考察した。そのため、一般的な議論としてPolchinski方程式を反場形式での正準変換として記述し、この流れ方程式が、量子論的なBRS変換のもとで不変となることを示した。また、いわゆるスキーム独立性の問題と関連して、場の変数の有限正準変換に伴うPolchinski方程式の共変的な振る舞いを明らかにした。これらの一般論を用いて、Luesherらの非自明なカイラル対称性の表現と標準的な表現の間の写像を考察し、くりこみ群の流れの相互関係を理解することができた。 これらの成果は、ヘルシンキでの国際会議「Renormalization group 2005」で報告した。 2)宗、伊藤は、格子理論における超対称性の新たな定式化について研究した。doublingに起因した余分な自由度を、staggered fermionの模型に立脚して、この模型に自然に内在するSO(2D)群の構造を尊重する様にfermionの再構成を行った。現在、この群を用いて、複数の自由度を区別する論理を宗が中心となって検討中である。 3)対称性の一般的定式化に現れる量子論的マスター方程式の研究対象として、五十嵐と伊藤はstring, field theory(SFT)の古典解に関する研究を行った。内容は、タキオン凝縮に対応する厳密解の候補である高橋-谷本解の性質を調べたである。特に、SFTに内在する大きなゲージ対称性(これはマスター方程式として表される)が、古典解の性質にどう反映するのかを考察した。これらは、2編の論文としてまとめた。
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Research Products
(2 results)