2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13135214
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青山 秀明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40202501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 哲 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60025476)
山本 克治 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90191395)
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Keywords | N重超対称性 / 初期宇宙 / インフレーション / ニュートリノ / 可解模型 / ヒッグス模型 / 多粒子系 / シーソー模型 |
Research Abstract |
青山は、超対称性量子力学の多次元への拡張について研究を進めた。1次元においては、通常の超対称性を拡張したN重超対称性が知られているが、これを2ないしは3次元へ拡張するべく、解析を進めた。その結果、3次元での2重超対称性代数を満たすべき超電荷(生成子)の形を決定し、この超対称性の存在を証明した。そして、2重超対称性代数から生じる微分方程式を解くことにより、その超電荷の係数関数の基本構造を決定し、具体的なモデルの構築へ道を開いた。 松田は、モジュライパラメターを持つ余剰次元空間のコンパクト化を考察し、カルツァ・クラインモード粒子の真空エネルギー(カシミアエネルギー)を計算した。結果を最近のWMAP等からの宇宙定数の実験観測値と比べ、「大きな余剰次元空間」から「小さな宇宙定数」が説明される可能性を指摘した。さらに、この比較考察は余剰次元空間の形状モジュライを探測する可能性を拓くことを指摘した。 山本は,右巻きニュートリノによるシーソー機構をもつ超対称弱電磁模型において、スカラーニュートリノ場とヒッグス場の多元運動の様相や特徴について詳しく調べた。そして、これによるレプトン数生成の有効性について検討し、右巻きニュートリノの質量や宇宙の再加熱温度といったレプトン数生成に関するパラメータへの制限を評価した。また、この模型ではニュートリノの質量と混合が右巻きニュートリノによるフレーバー変換結合と関係づけられる。そこで、ニュートリノの質量と混合、ニュートリノを放出しないベータ崩壊、レプトンフレーバー変換過程などへの右巻きニュートリノの寄与を計算し、これらの現象論的寄与の実験的検証の可能性を検討した。 なお,研究発表はいずれも学会,研究会等で行われており,また投稿中のプレプリント等も複数あるが,掲載雑誌論文は今年度は無い。それらは来年度以降,順次発表の予定である。
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