2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13135215
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東島 清 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (10092313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 裕 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (50324744)
窪田 高弘 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80161678)
見目 正克 奈良女子大学, 理学部, 教授 (20107345)
中原 幹夫 近畿大学, 理工学部, 教授 (90189019)
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Keywords | 非摂動くりこみ群 / 固定点理論 / ゲージ・ヒッグス統合 / 細谷機構 / 輻射補正 / ブラックホール / 量子状態空間 / エンタングルメント |
Research Abstract |
東島が中心となって、非摂動的くりこみ群方程式の固定点理論、特にその安定性を解析した。これまでの研究により、3次元場の理論では、エルミート対称空間が固定点の理論になることがわかっていたが、今年度は、その微少変形に対する安定性を調べた。その結果、アイソメトリーだけがマージナルになり、その他の変形はイレレバントになることを見いだした。 細谷が中心となって、Randall-Sundrum空間上での電弱相互作用のゲージ・ヒッグス統合理論を構築した。モデルの詳細によらず、湯川結合、WW-Higgs,ZZ-Higgsの結合定数が標準模型に比べて小さくなることをしめした。これは、今年末より動き出すLHCで検証可能である。 窪田が中心とするグループは、弱い相互作用におけるいわゆるg_A/g_V比に対する幅射補正が,荷電カレント相互作用の場合と中性カレント相互作用の場合とで扱い方が異なることを指摘した。このことが、SNOにおけるニュートリノと重陽子の散乱過程のデータ解析にどの程度の影響をおよぼすのかを、具体的な数値計算によって調べた。 見目が中心となって、最近注目を集めている高次元における回転するブラックホール時空の研究を行った.多重回転ブラックホールの下での物資場のエントロピーを一般的に導出し,研究結果を,ドイツで開催された第11回マルセル-グロスマン国際会議にて報告した.また,回転ブラックホール時空における物資場の放射の問題の研究を,3月に行われる日本物理学会にて発表する. 中原を中心とするグループは、密度行列で表される一般の量子状態空間の構造を研究した.特にアンサンブル平均による測定を用いて多者間のエンタングルメントを検知する方法を与えた.この方法では量子状態空間をエンタングルした部分空間とエンタングルしていない部分空間に分ける演算子(エンタングルメント・ウイットネス)が定義する超平面を用いる.各量子ビットの測定は同時に行なわれ,エンタングルメントの検知は1回の実験で行なうことができる.
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Research Products
(6 results)