2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13135216
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中村 純 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (30130876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小平 治郎 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (40127080)
大川 正典 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00168874)
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Keywords | 場の量子論 / 非摂動的解 / 摂動論 / 強結合 / QCD / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本年度の成果は以下の通りである。 1)中村は、Two-Color QCDモデルの有限密度系の格子シミュレーションを行った。Three-Colorモデルにおいて数値計算を著しく困難にするフェルミオン行列式の複素数問題がここでは存在しないため、計算が実行可能となる。密度を増大させていくと、ベクトル粒子の質量が減少することが見出された。これは、CERN-CERESの実験、多くの有効模型でその可能性が示唆されていたが、格子QCD計算では初めて見出された。 2)中村は、有限温度におけるグルーオンのプロパゲータの大規模シミュレーションを行い、グルーオンの電気的、磁気的質量をRHICエネルギー領域に相当する温度で求めた。磁気的グルーオン質量を非摂動的に求めた初めての計算である。硬熱再加算法による摂動論の計算とよい一致をみた。 3)中村は、ハドロン質量の化学ポテンシャルに対する感受率を格子QCDの数値シミュレーションで計算し、NJLモデルと比較した。 4)現在、Bファクトリーで蓄積されている高制度データから、小林・益川行列を求めるためには、B中間子を含むハドロン行列要素の計算が必要となる。大川は、bクォークのような重いクォークを含むハドロン行列要素を系統誤差を解析しながら計算を行った。また、K中間子が2個のパイ中間子へ崩壊する過程におけるCP非保存の強さを、Domain-Wallフェルミオンを使って計算した。 5)小平は、B中間子の崩壊モードに現れる光円錐関数を思いクォークの有効理論を用いることにより計算した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Muroya, A.Nakamura, C.Nonaka: "Behavior of Hadrons at Finite Density"Physics Letters. B551. 305-310 (2003)
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[Publications] A.Nakamura, I.Pushkina, T.Saito, S.Sakai: "Screening of hot gluon"Physics Letters. B549. 133-138 (2002)
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[Publications] O.Miyamura, S.Choe, Y.Liu, T.Takaishi, A.Nakamura: "Responses of quark condensates to the chemical potential"Physical Review. D66. 077502 (2002)
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[Publications] S.Choe他: "Responses of hadrons to chemical potential at finite temperature"Nuclear. Physics. A698. 395-399 (2002)
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[Publications] S.Aoki他: "$B^0-\bar{B}^O$ mixing in quenched lattice QCD"Physical Review. D67. 014506 (2003)
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[Publications] H.Kawamura, Y.Kiyo, J.Kodaira, K.Morii: "Revisiting W gamma production at RHIC"Progress of Theoretical Physics. 107. 125-137 (2002)