2004 Fiscal Year Annual Research Report
超対称ゲージ理論の非摂動ダイナミックスに基づくフレーバー物理
Project/Area Number |
13135219
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
安江 正樹 東海大学, 理学部, 教授 (50174503)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日置 善郎 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90173129)
|
Keywords | 超対称的ゲージ理論 / カイラル対称性の破れ / トップクォーク |
Research Abstract |
本プロジェクトでは、1)N=1超対称性理論の強結合での物理の特徴を調べ、標準模型を超えた物理への応用を試みる、2)トップクォークの物理を調べ標準模型の綻びを調べる、の2つのデーマで研究を行っている。1)については、Seibergらによる磁気的自由度の導入により、理論のフレーバー対称性が保たれる事が共通の認識になっているが、本研究では、SO(Nc)群に基づく強結合理論で、フレーバー対称性が自発的に破れる真空の存在を明らかにした。特に、Nf=Nc^-^^-1の場合に、"ダイクォーク"的な、Nc^-^^-1体のバリオン型の複合場を導入し有効超ポテンシャルを導き、Nf≧Ncの場合と同様な性質:アノーマリーの一致・インスタントン効果の再現、を備えていることを導出した。この結果を踏まえて、Nf≧Nc^-^^-2のすべての場合を統合的に調べ、ホロモロフィー性を持つことを確かめ、一連の超ポテンシャルが無矛盾無く構築されていることを示した。Nf=Nc^-^^-2の場合には、メソン型のみであるが、Nf=Nc^-^^-1の場合には、Nc^-^^-1体のバリオン型の複合場が、Nf≧Ncの場合には、Nc体のバリオン型の複合場が必要となるが、このバリオン型の複合場の差異にもかかわらず正しくホロモロフィー性を再現する。また、現在得られた有効超ポテンシャルが行列模型を用いた考察で同様な有効超ポテンシャル得られるかどうかを調査中である。2)については、トップクォーク相互作用を具体的な模型に依存しない形で解析するため、その最も一般的な相互作用の共変形を書き下し、それを用いた現象論的な解析を行った。これにより、標準模型を超えた相互作用の効果も高い信頼度で抽出可能になると期待できる。特に、光子光子衝突過程では、トップ・反トップ反応生成過程でトップ・反トップのどちらかが仮想粒子となることがあり、電子・陽電子衝突の場合とは異なる面を調べることができる。この場合、非標準相互作用を生み出す未知体系はΛというエネルギースケールで特徴付けられるが、そのΛ以下の世界には標準模型の粒子以外存在しない、という仮定のもとで詳細な解析を行ったところ,電子・陽電子衝突過程では得られない幾つかの情報が得られることが明らかになってきた。
|
Research Products
(2 results)