2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13136206
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
古津 年章 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00314617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下舞 豊志 島根大学, 総合理工学部, 助手 (30325039)
高薮 縁 東京大学, 気候システム研究センター, 助教授 (10197212)
児玉 安正 弘前大学, 理工学部, 助教授 (30205421)
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Keywords | 赤道域 / 対流活動 / 降水日周変化 / 雨滴粒径分布 / 大気観測レーダー / RASS / 降雨レーダー / 水蒸気ラジオメータ |
Research Abstract |
本研究課題は,スマトラにおける赤道大気レーダ(EAR)を中心にして熱帯積雲対流活動を総合的に観測し,積雲スケールからグローバルスケールに至る対流活動の階層性ならびに対流圏起源の大気波動の振舜いを明らかにすることを目的とする.そのため,風ベクトルの鉛直プロファイルを観測するEARと同時に気温,水蒸気密度,降雨の鉛直プロファイルや,3次元対流活動,更にそれらのリモートセンシング観測を支援する様々な地上測器が必要である.平成14年度に新たに設置した観測機器は,EAR周辺の3次元降雨構造を観測するXバンド降雨レーダおよび降雨の雲物理過程と密接に関係する雨滴粒径分布を測定する雨滴計である.また平成13年度に引き続いて電波・音波探査装置(RASS)を整備した.機器の整備と併せて,観測データの初期解析を行うと共に,ラジオメータによる水蒸気密度プロファイル,光学式雨量計による降雨強度,Xバンド降雨レーダデータのWeb上での公開を開始した. 赤道域における対流活動の基本特性を,特に海洋大陸(インドネシア)域,更にコトタバンの地域特性に着目して解析した.その結果:(1)海洋大陸では,全赤道域平均に比べて,海洋と陸域の降雨特性が混合されて表れていること,インドネシア域における乾季(2〜9月)と雨季(9〜1月)では降雨の日周変化や層状性降雨の割合が異なることが見出された.(2)コトタバンにおける対流活動と周辺環境場の関連を,EARおよびXバンド降雨レーダデータにより解析し,スマトラ西岸の局地循環と東風との相互作用が影響することを事例解析から明らかにした.(3)対流活動における環境場と雲物理過程の関連を調べるため,コトタバンとシンガポールの雨滴粒径分布を比較解析した.その結果,午前中の降雨で顕著な差が見出された.これらの大規模場〜雲物理過程の関連を今後更に解析し,コトタバンにおける対流活動の特性を明らかにしていく予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takayabu, Y.N.: "Spectral representation of rain features and diurnal variations observed with TRMM PR over the equatorial area"Geophysical Research Letters. 29. 10.1029/2001GL014113 (2002)
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[Publications] Reddy, K.K., T.Kozu, 他: "Planetary boundary layer and precipitation studies using lower atmospheric wind profiler at Gadanki, Tropical India"Radio Science. 37・4. 14-1-14-17 (2002)
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[Publications] Kodama, Y.M., A.Tamaoki: "A re-examination of precipitation activity in the subtropics and the mid-latitudes based on satellite-derived data"Journal of Meteorological Society of Japan. 80・5. 1261-1278 (2002)