2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13139201
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷 あきら 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40183082)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 伸悦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60280939)
|
Keywords | 植物生理学 / 環境応答 / シグナル伝達 / 光受容体 / 遺伝学 |
Research Abstract |
本研究では、単細胞性藻類であるクラミドモナスや種子植物であるシロイヌナズナを材料に、PHOTの細胞内シグナル伝達機構解明を目指した。本年度は、我々が見いだしたクラミドモナスphot(Crphot)について、分子生物学的手法、分子遺伝学的手法により解析するとともに、Crphotと相互作用する蛋白質をyeast two-hybrid法で探索した。また、photの膜移行活性について、酵母菌やシロイヌナズナのプロトプラストなどを用いた系で解析した。得られた成果は以下の通りである。 1)クラミドモナスのフォトトロピンの解析 RNAi法によりフォトトロピン遺伝子が低下したクラミドモナス株を作出し、鞭毛に存在するフォトトロピンが接合に関わる可能性があることを見いだした。また、他の研究室と共同で、クラミドモナスのフォトトロピンが接合やアミノ酸の取込に関与することを示唆する結果を得た。 2)フォトトロピンのシグナル伝達機構 酵母two-hybrid法により、クラミドモナスおよびシロイヌナズナのフォトトロピンと相互作用する因子のスクリーニングを行った。その結果、フォトトロピンが小胞輸送に関わる低分子量Gタンパク質であるARFと結合することが分かった。現在、この結合についてさらに詳しい解析を進めている。 3)フォトトロピンの膜移行 フォトトロピンのキナーゼ領域内に膜移行活性領域が存在することを分子生物学的に示した。具体的には、フォトトロピンの様々な断片を酵母菌やシロイヌナズナのプロトプラストで発現させ、その細胞内分布を調べた。この結果、フォトトロピンのC-末端に存在する約80アミノ酸からなるドメインが膜移行に重要であることが分かった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Matsushita, T., N.Mochizuki, A.Nagatani: "Dimers of the N-terminal domain of phytochrome B are functional in the nucleus."Nature. 424. 571-574 (2003)
-
[Publications] Tamura, K, T.Shimada, E.Ono, Y.Tanaka, A.Nagatani, S.Higashi, M.Watanabe, M.Nishimura, T.Hara-Nishimura: "Why green fluorescent fusion proteins have not been observed in the vacuoles of higher plants."Plant J.. 35. 545-555 (2003)
-
[Publications] Yamamoto, Y., E.Sato, T.Shimizu, N Nakamich, S.Sato, T.Kato, S.Tabata, A.Nagatani, T.Yamashino, T.Mizuno: "Comparative genetic studies on the APRR5 and APRR7 genes belonging to the APRR1/TOC1 quint implicated in circadian rhythm, control of flowering time, and early photomorphogenesis"Plant Cell Physiol.. 44. 1119-1130 (2003)
-
[Publications] 松下智直, 長谷あきら: "フィトクロムBはN末端領域から光シグナルを伝達する"細胞工学. 22・9. 994-995 (2003)