2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13139205
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
徳富 哲 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (90142009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤堂 剛 京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (90163948)
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Keywords | 光環境情報 / 光センシング / 光受容体 / フォトトロピン / 分子構造 / 光反応 / シグナル伝達 / プロテインキナーゼ活性 |
Research Abstract |
フォトトロピンは植物の光屈性、葉緑体光定位運動、光による気孔開口など光合成効率の最適化に密接に関係した生理機能の制御に係わる青色光受容体である。C-末端にセリン/スレオニンキナーゼドメイン、N-末端には発現団であるFMNを1分子結合したLOV(PASの1種)ドメインを2つもち、LOVで受容された青色光エネルギーが何らかの形でキナーゼ活性を制御し、下流へのシグナル伝達を調節すると考えられてれる。我々は光の入力側からフォトトロピン青色光受容機構を探るべく、その分子構造、発色団ドメインの光反応機構、発色団ドメインの光反応がどの様なメカニズムでセリン/スレオニンキナーゼ活性を調節するのかを主要な課題として研究を進めてきた。 本年度は昨年度に確立した発現系によるシロイヌナズナPHOTおよびシダPHY3の全長を除く各LOV、キナーゼドメイン等のホロタンパク質試料調製システムを以下の結果を得た 1)発色団の光反応は一般にタンパク質部分にシグナル伝達に関与する構造変化を引き起こす。近年異なるソースのLOV1およびLOV2暗中およびシグナル伝達状態のX線結晶構造解析が報告された。これら、フォトトロピンが光反応してシグナル伝達状態に変化してもタンパク質部分の構造はほとんど変化しないと報告している。しかし最近、結晶中の光反応は発色団近傍に限られており、溶液中で見られるシグナル伝達に関与するような大きなタンパク質部分の構造変化は起こらないことが解ってきた。我々は溶液試料のX線小角散乱観測から、キナーゼ活性制御につながると考えられる構造変化を初めて検出した(J.Biol.Chem.投稿中)。 2)またLOV2ドメインの光反応初期過程の解析:極低温振動および紫外可視分光スペクトル解析により従来の光異性化型光受容体と異なりフラボタンパク質型特異的と思われる反応を見つけた(Biochemistry 2003) 3)キナーゼドメインおよびそれにLOVが付加した試料のカゼインを基質としたin vitroのセリン/スレオニンキナーゼ活性assay系を用いて解析を行い、キナーゼ活性の光制御機構に関する興味深い発見を行った(Proc.Natl.Acca.Sci.USA、投稿中)。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sco, H.S, Watanabe, E., Tokutomi, S., Nagatani, A., Chua N.-H: "Photoreceptor ubiquitination by COP1 E3 ligase desensitizes phytochrome A"Genes Development. in press. (2004)
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[Publications] Iwata T., Nozaki., D., Tokutomi, S., Kagawa, T., Wada, M., Kandori, H.: "Light-Induced Structural Changes in the LOV2 Domain of Adiantum Phytochrome3 Studied by Low-Temperature FTIR and UV/visible Spectroscopy"Biochemistry. vol.42. 8183-8191 (2003)
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[Publications] Saitou, T., Hashidume, A., Takahata, K, Tokutomi, S., Kamada, H: "Phytochrome activities and biological activities of genes for phytochrome A of horseradish in horseradish hairy roots."Plant Biotechnology. vol.20. 13-19 (2003)
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[Publications] Saitou, T., Hashidume, Ai., Tokutomi, S., Kamada, H.: "Reduction of phytochrome level and light-induced formation of adventitous shoots by introduction of antisense genes for phytochrome A in horseradish hairy roots."Plant, Cell, Tissue & Organ Culture. vol.76. 45-51 (2003)