Research Abstract |
本年は,次の2課題を中心に研究を行い,以下の成果を得た. 1)CD25+制御性T細胞における補助シグナル分子の役割解析 CD25^+CD4^+制御性T細胞上に,CD28,CTLA-4,PD-1,GITR,ICOSなどの多くの分子が比較的高発現されていた.特に,CD28およびGITR補助シグナルは,exogenous IL-2の非存在下において,CD25^+Tregの増殖およびサイトカイン産生を促す重要な役割を果たしていることが明らかになった.特に,APC非存在下において,CD28シグナルによるTregの増殖およびサイトカイン産生増強能は顕著であった.逆にTregの抑制機能の発揮には,これらの補助シグナルの存在は,抑制機能を解除させることが示された. 2)新規分子BTLA,B7-H3およびB7-H4の発現および機能解析 新規CD28-B7ファミリー分子である,BTLA,B7-H3,B7-H4に対するモノクローナル抗体,Ig融合蛋白を作製し,未刺激リンパ球および刺激リンパ球,種々の細胞株における発現を検討した.BTLAIgは,B7-H4遺伝子導入株と結合せず,B7-H4Igは,BTLA遺伝子導入株と結合しないことから,B7-H4とBTLAは,レセプター/リガンドの関係ではないことが示唆された.抗体やIg融合蛋白架橋の実験系からは,BTLAおよびB7-H4は,CD4T細胞に対して抑制的に働いていることが示されたが,抗B7-H4抗体のin vivo投与やsolubleformでのin vitro添加の系では,逆にB7-H4が,T細胞を介する免疫応答の活性化に働いている結果が示され,これらの分子を介した正および負の複雑な制御機構が働いていることが示された
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