2003 Fiscal Year Annual Research Report
免疫寛容の誘導・維持と破綻における樹状細胞の機能と作用メカニズムの解析
Project/Area Number |
13140202
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲葉 カヨ 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00115792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 和彦 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 講師 (90301233)
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Keywords | 樹状細胞 / T細胞活性化 / 免疫寛容 / CD25^+CD4^+制御性T細胞 / 免疫応答制御 / CD80 / 86 |
Research Abstract |
免疫寛容には特異的T細胞の除去や不活化に加えて、CD25^+CD4^+制御性T細胞が重要な役割を担うことが明らかになっている。また、活性化した樹状細胞が制御性T細胞の抑制作用を解除することも報告されている。そこで、樹状細胞の制御性T細胞に対する作用を検討した。 先ず、in vitroで骨髄から誘導した活性化した樹状細胞を抗原提示細胞として用いると、通常の脾細胞を抗原提示細胞とした場合とは異なり、CD25^-CD4^+T細胞への抑制作用が認められないことが確認された。樹状細胞とCD25^+CD4^+制御性T細胞を培養してみたところ、抗原特異的あるいはanti-CD3の刺激を介してCD25^+CD4^+制御性T細胞を活性化することが示された。また、IL-2の存在下では抗原非特異的にCD25^+CD4^+T制御性細胞の増殖を誘導した。しかし、その増殖はIL-2の存否にかかわらず、初期においてはCD25^-CD^4+T細胞と同程度であったが、比較的早くその増殖を停止することが示された。このような活性化樹状細胞によるCD25^+CD4^+抑制性T細胞の増殖応答には、樹状細胞およびCDCD25^+CD4^+抑制性T細胞自身が産生する僅かのIL-2が関与している可能性が示唆されると共に、樹状細胞上に発現されるCD80/86が重要な役割を担うことも示された。また、in vitro培養によって増殖したCD25^+CD4^+制御性T細胞は増殖以前の表現型を保持しており、また抑制活性を保持していることも確認された。また、蛍光標識した抗原特異的CD25^+CD4^+制御性T細胞を生体に投与すると、活性化された樹状細胞だけでなく、生体内樹状細胞によっても抗原特異的な増殖応答が誘導されることも示された。 以上の結果より、樹状細胞は生体内において炎症応答などを伴う強力な免役応答を誘導する必要がある場合にはCD25^+CD4^+制御性T細胞を活性化することによりその抑制作用を解除するが、同時に増殖応答を誘導してその後の制御を維持させる機能を持つと考えられる
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ito, T.: "Plasmacytoid dendritic cells regulate helper T cell responses through OX40 ligand and type I interferons."J.Immmunol.. 印刷中. (2004)
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[Publications] Ichikawa, E.: "Defective development of splenic and epidermal CD4 dendritic cells in mice deficient for interferon regulatory factor-2."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 101(11). 3909-3914 (2004)
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[Publications] Kanazawa, N.: "Molecular Cloning of Human Dectin-2."J.Invest.Dermatol.. 印刷中. (2004)
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[Publications] Toyama-Sorimachi, N.: "Ly49Q, a novel member of Ly49 family that is selectively expressed on myeloid lineage cells and involved in regulation of cytoskeletal architecture."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 101(4). 1016-1021 (2004)
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[Publications] Kanazawa, N.: "DCAR, a novel C-type lectin immunoreceptor, acts as an activating receptor through its association with Fc receptor γ chain."J.Biol.Chem.. 78(35). 32645-32652 (2003)
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[Publications] Yamazaki, S.: "Expansion of CD25^+ CD4^+ regulatory T cells by antigen-presenting dendritic cells."J.Exp.Med.. 198(2). 235-247 (2003)
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[Publications] Kabashima, K.: "Prostaglandin E_2-EP4 signaling is critically involved in migration and maturation of Langerhans cells in the initiation phase of contact hypersensitivity."Nature Medicine. 9(6). 744-749 (2003)
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[Publications] Kang, Y.-S.: "SIGN-R1, a novel C-type lectin expressed by marginal zone macrophages in spleen, mediates uptake of the polysaccharide dextran."Int.Immunol.. 15(2). 177-186 (2003)