2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13140204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊谷 仁 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80161412)
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Keywords | 免疫 / T細胞 / B細胞 / CD100 / CD72 / セマフォリン |
Research Abstract |
1.免疫セマフォリン分子CD100がその受容体CD72を介して、B細胞受容体(BCR)からのシグナルをどのように調節しているかを解析した。CD100欠損B細胞と正常B細胞を抗1gM抗体で刺激したところ、CD100欠損B細胞においては、BCRの下流に位置する種々の情報伝達分子のチロシンリン酸化が有意に低下しており、細胞内Ca^<2+>動員にも障害が認められた。また、CD100欠損B細胞のBCR刺激依存性の活性化や細胞死の誘導が著しく障害されることが明らかになった。さらに、CD100欠損B細胞においては、FcγRIIBのリン酸化や、その抑制性シグナルも低下していた。 2.CD100欠損マウスにおいては30週令頃から血清中の抗DNA抗体などの自己抗体が有意に上昇し、唾液腺、甲状腺、腎臓など種々の臓器にへの単核球の浸潤など、自己免疫性の症状を呈した。また、この自己免疫の発症とT細胞の細胞表面形質と活性化状態には特に相関がなかったが、自己抗体の上昇に一致してCD100欠損マウスのB細胞の活性化が認められた。CD100欠損マウスは、免疫不全にもかかわらず、上記のようにBCR依存性のB細胞死と、FcγRIIBからの抑制シグナルが障害されているため、加齢と共に自己反応性B細胞が蓄積し、その結果自己免疫様の症状を呈すると考えられる。 3.NODマウス由来膵島反応性CD4^+T細胞クローンの反応性を、ペプチドライブラリーを用いて解析し、それらのクローンが認識するペプチドのモチーフを決定した。その結果、異なる構造のTCRを発現する数種類のT細胞クローンが非常によく似たモチーフを認識することが明らかになった。さらに、そのモチーフから作成した単一配列のペプチドの中に解析したすべてのクローンを刺激できるものがあり、これらT細胞クローンは同一の自己抗原エピトープを認識している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yasui, T., Kikutani, H., et al.: "Dissection of B cell differentiation during primary immune responses in mice with altered CD40 signals"Int.Immunol.. 14. 319-329 (2002)
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[Publications] Kumanogoh, A., Kikutani, H., et al.: "The CD100/Sema4D-CD72 interactions : a novel mechanism of immune regulation"Trends in Immunology (formerly known as "Immunology Today"). 22. 670-676 (2001)
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[Publications] Watanabe, C., Kikutani, H., et al.: "Enhanced immune responses in transgenic mice expressing a truncated form of the lymphocyte semaphorin CD100"J.Immunol.. 167. 4321-4328 (2001)
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[Publications] Kumanogoh, A., Kikutani, H.et al.: "Increased T-cell autoreactivity in the absence of CD40-CD40 ligand interactions : A role of CD40 in regulatory T cell development"J.Immunol.. 166. 353-360 (2001)
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[Publications] Wang, X.-S., Kikutani, H., et al.: "Functional soluble CD100/Sema4D released from activated lymphocytes : Possible role in normal and pathological immune responses"Blood. 97. 3498-3504 (2001)
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[Publications] Kishimoto, T., Kikutani, H.: "Knocking the SOCS off a tumor suppressor"Nature Genetics. 28. 4-5 (2001)