2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウムポンプの1分子可視化による作動機構と高次構造の解析
Project/Area Number |
13142201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
嘉屋 俊二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90186023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 敏明 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20142177)
林 雄太郎 杏林大学, 医学部, 教授 (10086556)
鈴木 裕 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50183421)
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Keywords | ナトリウムポンプ / プロトンポンプ / 1分子観察 / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
1.プロトンポンプの分子集合と酵素活性相関 FITCによって蛍光標識したH/K-ATPaseを界面活性剤で可溶化し、ガラス上に分散、吸着させた分子の蛍光強度をTIRFMにより観察し、これらを定量することで、溶液中での会合数とその分布を推定した。また同条件で可溶化した酵素のK^+依存性pNPPase活性を測定し、protomerの会合数と残存活性の相関から酵素の機能単位について検討した。その結果、 (1)Octaethylene glycol dodecylether (C_<12>E_8)を用いた可溶化によってH/K-ATPaseはその活性は5%いかに低下する。同条件で可溶化したFITC修飾酵素の分子観察では単量体、二量体が主として存在することが明らかになった。 (2)C_<12>E_8による可溶化時にK^+を共存させることによって、可溶化標品のATPase活性は最大約40%の活性を保持した。これらC_<12>E_8可溶化標品の分子観察による解析において、可溶化時のK^+に依存して四量体の存在比にのみ増加が見られ、両者は非常に良い相関を示した。 以上、H/K-ATPaseは膜上において四量体で機能していると結論した。また、K^+に依存した可溶化標品の残存活性の上昇と、四量体の存在比の増加は、K^+の結合に伴った個々のプロトマーの構造変化が四量体構造の安定性を変化させている可能性を示唆する。 2.ナトリウムポンプのATP結合領域の変異導入によるATPの親和性に及ぼす影響 ATP結合領域においてナトリウムポンプで高度に保存されている、GDASE配列に注目し、部位特異的変異導入を行った。変異導入によるNa/K-ATPase活性への速度論的なパラメーターへの影響を検討した。その結果、 (1)すべての変異体において、ATPに対する親和性に影響が観察され、この配列がATP結合に極めて重要な役割を担っていることが明らかにされた。 以前のATP結合領域の変異導入の結果とあわせて、ATP結合に重要なアミノ酸残基及びその領域を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Abe: "K^+ induced simultaneous liberation of two moles of Pi, one from one mole of EP and the other from EATP, of oligomeric H/K-ATPase from pig stomach"Ann.N.Y.Acad.Sci.. 986. 281-282 (2003)
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[Publications] S.Kaya: "Oligomeric structure of P-type ATPases observed by single molecule detection technique"Ann.N.Y.Acad.Sci.. 986. 278-280 (2003)
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[Publications] K.Abe: "Correlation between the activities and the oligomeric forms of pig gastric H/K-ATPase."Biochemstry. 42(51). 15132-15138 (2003)
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[Publications] T.Imagawa: "The amino acid sequence 442GDASE446 in Na/K-ATPase is an important motif in forming the high and low affinity ATP binding pockets."J.Biol.Chem.. 278・50. 50283-50292 (2003)