2005 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド輸送体の構造と制御・作動機構および生理機能の解明
Project/Area Number |
13142206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 正知 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80190297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 綾子 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (90272484)
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Keywords | プロテオーム / ペプチド / 輸送体 / TAPL / MAT-8 / ナノバイオ / 薬学 |
Research Abstract |
(1)TAPLの生理機能解明を目指し、線虫TAPLファミリーの遺伝子CE1,CE2,CE3の解析を進めた。3種の遺伝子のうち、CE1とCE3をプロモーターごと蛍光タンパクGFP遺伝子に融合した発現プラスミドを構築し、線虫に導入した。その結果、CE1は咽頭と腸第1細胞にGFPの蛍光が強く、腸全体に弱く発現した。一方、CE3は腸全体に発現し、しかも腸細胞内の顆粒膜を縁取るように存在した。CE2とCE3の遺伝子欠損体ではいずれも腸細胞内の顆粒が減少したがGFPを融合したCE3を同欠損体に発現させると顆粒数が回復し、それら顆粒はGFP陽性であった。CE2やCE3の欠損体は顆粒数の減少と相関し成長が遅延する。しかし、CE2とCE3の欠損体をかけ合わせ二重欠損体の線虫を作成したが、致死には至らなかった。これらより、CE2とCE3は腸細胞内顆粒の形成・維持に必要であり、輸送機能が顆粒形成や顆粒内成分蓄積にどのように働くのか、またヘテロ2量体を形成しているのかが興味深い。 (2)Mat8のC末にMycタグやGFPを連結し一過的にCHO-K1細胞に発現させると、DsRedを連結させた時と同様の、核周辺と小胞体・ゴルジ・エンドゾームの一部に重なる分布を示した。Mat8にヒト・マウス大腸癌細胞で高発現していた。そこで、Mat8を発現するマウス大腸癌細胞colon-26にMat8-Mycを発現させると、Mat8-MycはCHO-K1細胞で見られた局在に加えて、更に細胞膜表面にも一部存在するようになった。この局在は細胞膜のNa+^,K^+-ATPaseと一致し、それぞれの抗体を用いた免疫沈降実験と化学架橋実験により両者が相互作用していることが示された。Mat8の膜貫通領域のGly-41をAlaに置換すると細胞内に留まる傾向があり、細胞表面への局在変化に重要なアミノ酸残基であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)