2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13143203
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川畑 俊一郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90183037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 敬一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10136492)
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Keywords | LPS / カブトガニ / Gタンパク質 |
Research Abstract |
カブトガニ顆粒細胞の開口放出におけるLPS刺激の伝達には、三量体Gタンパク質が関与していることが示唆されていたが、顆粒細胞を百日咳毒素や細胞内イノシトール代謝の阻害剤で処理すると、LPSによる開口放出が阻害されることが明らかとなった。また、カルシウム-ATPaseの阻害剤で顆粒細胞を処理するとLPS非存在下においても開口放出が誘導された。さらに、Gタンパク質に直接結合して活性化するクロスズメバチ毒のマストパランによって開口放出が誘導された。したがって、LPS刺激の伝達には三量体Gタンパク質が関与しており、最終的には、細胞質内カルシウムイオン濃度が上昇し、開口放出が引き起こされると推定された。興味深いことに、大顆粒成分であるファクターCが細胞表面にも存在することが明らかとなった。ファクターCは、微量のLPSと特異的に結合するドメインをアミノ末端側に有するLPS感受性セリンプロテアーゼ前駆体である。したがって、LPSは膜表面のファクターCと結合し、そのプロテアーゼ活性により、特異的なGタンパク質共役型受容体(G protein-coupled protease-activated receptor : PAR)を活性化する可能性が高い。ファクターCの基質特異性は、哺乳類の凝固酵素であるトロンビンの基質特異性と酷似しており、哺乳類では、トロンビンにより活性化される4種のPARが血小板に存在することが知られている。事実、哺乳類のPARに対してアゴニストとして機能する合成ペプチドは、LPS非存在下においてカブトガニ顆粒細胞の開口放出を誘起した。ファクターCはLPS認識後、顆粒細胞表面にあるPAR類似受容体を介してGタンパク質を活性化し、開口放出を引き起こしていると推定された。
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Research Products
(4 results)