2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13143203
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCTIY |
Principal Investigator |
川畑 俊一郎 九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (90183037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 敬一 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (10136492)
小柴 琢己 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (70403970)
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Keywords | 自然免疫 / 非自己認識 / 生体防御 / リポ多糖 / パターン認識 |
Research Abstract |
カブトガニ顆粒細胞の開口放出には何らかの増幅機構が存在し、顆粒細胞の分泌成分中に開口放出を誘導する低分子量ペプチドが存在することを見いだした。事実、顆粒細胞の小顆粒成分であるタキプレシンで顆粒細胞を処理すると、開口放出が誘導された。タキプレシンにより誘導される開口放出は、ホスホリパーゼCの阻害剤であるU-73122、およびGタンパク質の阻害剤である百日咳毒素によって抑制された。さらに、表面プラズモン共鳴センサーを用いた解析によって、タキプレシンがG_o/G_i型のGタンパク質と直接相互作用することを明らかにし、結果をFEBS Jに報告した。これらの結果は、タキプレシンがLPSと同様のGタンパク質を介したシグナル伝達経路によって顆粒細胞の開口放出を誘導していることを示すものであり、抗菌ペプチドの細胞間情報伝達物質としての機能を示唆している。 次に、カブトガニのクチクラタンパク質の網羅的な構造と機能の解析を行った。クチクラホモジェネートの10%酢酸抽出画分を出発材料として、キチンカラムクロマトグラフィーを用いてキチン結合性タンパク質を精製し、二次元ゲル電気泳動で分離した。分離したキチン結合性タンパク質のアミノ酸配列からPCRプライマーを作製し、外骨格の内皮から作製したcDNAを鋳型にRT-PCRを行い、合計14種のタンパク質について全塩基配列を決定した。また、二次元電気泳動で分離不可能な分子量10,000以下のキチン結合タンパク質については、クチクラホモジェネートの10%酢酸抽出画分をゲル濾過後、低分子量画分を逆相HPLCで分離した。合計9数種のキチン結合タンパク質の配列情報を得た。得られたキチン結合タンパク質の中に、Drosophilaや線虫の機能未知のタンパク質と相同性のあるものを見いだし、結果をFEBS Jに報告した。
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Research Products
(3 results)