2001 Fiscal Year Annual Research Report
極低発現遺伝子の発現頻度解析を目的とした超高感度DNAチップECAの研究開発
Project/Area Number |
13202006
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内田 和彦 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (90211078)
|
Keywords | ヒト遺伝子 / cDNAライブラリー / DNAチップ / マイクロアレイ / マウス |
Research Abstract |
【研究の目的と進め方】 ヒト遺伝子の塩基配列が明らかになり全ORFが予測同定されつつある。しかしcDNAライブラリーから得られたクローンを元にした網羅的遺伝子発現解析では低発現遺伝子の機能解析は難しい。発現量の低い遺伝子の解析が可能になれば機能未知の遺伝子の解析にきわめて有用になると考えられる。本研究では、そのための高感度DNAマイクロアレイの研究開発を行うと同時に、がんにおけるDNAコピー数異常を指標にゲノム配列から機能的に意義のある配列を同定する。 【研究の当初計画】1)極低発現遺伝子の発現頻度解析用、超高感度DNAチップの研究開発。 2)組織特定部位における低発現遺伝子の同定。 3)ゲノム全塩基配列との比較による低発現mRNAを指標にした新規遺伝子の同定。 【成果】 1)成果の内容:合成オリゴヌクレオチドプローブを固定化した微小電極の作成とハイブリッド形成を電気化学的に定量性を維持しつつ高感度に検出するための研究を行った。1.0mmの直径の金電極を4.5mm間隔で25個配置させた各電極間の均一性のあるアレイ電極と単電極用電気化学測定装置とほぼ同じ性能の試作マルチ電極対応電気化学活性測定装置を用いて再現性のある測定結果を得た。 2)マイクロダイセクションにて切り出したマウスの脳切片を用いた遺伝子発現フロファイルを行うため、マウス胎児由来の15,000個に加えて能由来の5,000個のcDNAからなるマイクロアレイを整備した。 3)1コピーから数コピーの差を検出できる定量PCR法を確立し、DNAコピー数異常の検出を試みた結果、がんサンプルで遺伝子欠失領域を同定し、対応する遺伝子を34個ピックアップした 【今後の課題】 1)オリゴヌクレオチド固定化法の改良による高感度化。厳密な定量性と高感度を両立させる。 2)網羅的DNAコピー数異常解析方法の確立とスループット化を行う。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Uchida, M., et al.: "Overexpression of poly (ADP-ribose) polymerase disrupts organization of cytoskeletal F-actin and tissue polarity in Drosophila"J. Biol. Chem.. 277. 6696-6702 (2002)
-
[Publications] Uchida, M., et al.: "Genetic and functional analysis of PARP, a DNA strand break-binding enzyme"Mutation Res. 447. 89-96 (2001)
-
[Publications] Feng, R., et al.: "Cell-free entry of human T-cell leukemia virus type 1 to mouse cells"Jpn. J. Cancer Res.. 92. 410-416 (2001)
-
[Publications] 内田和彦: "新医療"ゲノム医療に要望される情報システム. 323. 60-63 (2001)
-
[Publications] 内田和彦: "創薬サイエンス入門 ゲノム世紀へのパラダイムシフト"共立出版. 250 (2002)
-
[Publications] Miwa, M. et al.: "DNA methylation in neuroblastoma"DNA Methylation and Cancer(in press). (2002)