2001 Fiscal Year Annual Research Report
線虫転写因子群の系統的遺伝子破壊株を用いた網羅的ゲノム機能解析
Project/Area Number |
13202061
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
三谷 昌平 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (90192757)
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Keywords | 線虫 / 転写因子 / 遺伝子破壊株 / ゲノム機能解析 |
Research Abstract |
線虫C.elegansは、遺伝子構造解析がもっとも進んでいる多細胞モデル生物の1つである。また、飼育、保存が極めて容易であって遺伝学的解析に適しており、形態や細胞系譜の記載が充実していることから、各々の遺伝子がどのように生体内で機能しているかを知る上で有用である。我々は、従来法に比べて2桁程度高効率である、遺伝子ノックアウト法の開発に成功した(Gengyo-Ando & Mitani,2000)。この手法を用いて、転写因子遺伝子群の系統的な遺伝子ノックアウト株(欠失変異体)を分離し、個体の発生や環境適応等の局面で各々の遺伝子制御の鳥瞰的な理解を進めることを目指している。 過去1年間で新たに分離できた欠失変異体は135遺伝子であった。分離速度についてはさらなる努力を必要とするが、得られた特に興味深い変異体を用いた機能解析は着実に進行しており、本来の「機能解析」という目的としては内容が濃いものになりつつある。 「約20%の致死または不妊を呈する株のバランサ処理に時間がかかる」という問題点については、「パーティクルガンを用いて、レスキューDNAを導入した安定トランスジェニック株を容易に分離する手法」の確立に成功したことから、これを致死株と交配することにより解決に向かっている。今後、本来の変異体分離速度の向上が期待される。また、単一コピー染色体挿入トランスジェニック株の分離のための遺伝的選択条件となり得る変異体を用いて安定トランスジェニック株の分離がルーチン化できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hao J.C., et al.: "C. elegans Slit acts in midline, dorsal ventral, and anterior-posterior guidance via the SAX-3/Robo receptor"Neuron. 32. 25-38 (2001)
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[Publications] Iwahashi J., et al.: "Maternal expression of the ancestral reticulon during embryogenesis of Caenorhabditis elegans"Mol. Cell. Biol.. (in press).
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[Publications] 北野宏明編, 三谷昌平著: "システムバイオロジー「線虫の網羅的遺伝子ノックアウト」"シュプリンガー・フェアラーク社. 9 (2001)