2001 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム生物学から抽出される知識をタンパク質上に人為再構成するシステムの構築
Project/Area Number |
13202069
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
芝 清隆 財団法人癌研究会, 癌研究所・蛋白創製研究部, 部長 (40196415)
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Keywords | 人工タンパク質 / ゲノム生物学 / タンパク質工学 / 分子進化工学 / マイクロ遺伝子 / 合理的設計 / 繰り返し構造 / 人為再構成 |
Research Abstract |
ポストゲノム・プロテオーム研究から得られるゲノム知識、特にタンパク質の構造と機能に関する知識を活用するために、これらの知識を人工タンパク質上に人為的に再構成する新しい人工タンパク質創製システムを確立するのを目標とすている。既に確立しているマイクロ遺伝子重合法とマイクロ遺伝子のデザインアルゴリズム、CyberGeneを利用することにより、人為再構成の実例、使用例を蓄積していくことを目標とし、a)アコヤ貝のもつ炭酸カルシウムの結晶化に関与すると思われるモチーフをもった人工タンパク質の作製の試み、b)デザインアルゴリズムの高速化、c)無細胞翻訳系を用いた人工タンパク質の産生の試み、をおこなった。a)では、マイクロ遺伝子のデザインは完了したものの、重合体翻訳産物の精製に手間取っており、期待した機能が再構成されているかどうかの確認がとれていない。b)では、ジペプチドが内包する他の読み枠のコドンにも注目し、あらかじめ終止コドンを内包するジペプチドコドンを排除したコドン表を用いることにより、マイクロ遺伝子のデザイン時間を大幅に短縮することに成功した。この手法に関して特許を申請した。c)ではa)で得られた繰り返し性の高いタンパク質は大腸菌内で発現が見られなかった。そこで、大腸菌、小麦胚芽由来の無細胞翻訳系を用いた発現を試みたが、考えられるあらゆる条件を検討したにもかかわらず十分な発現が確認できなかった。唯一、融合タンパク質としてのみ発現を確認することができた。 今後の課題としては、アコヤ貝のモチーフをもった人工タンパク質は、そのマイクロ遺伝子のデザインから再度やりなおす。また、最近、同じように非常に短い単位の繰り返し構造をもつ蜘蛛の絹糸タンパク質が、大腸菌・酵母で発現しないものの、動物細胞で発現した例が報告されているので、動物細胞でも発現も試みてみたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Miyaki M 他: "Alterations of repeated sequences in 5' upstream and coding regions in colorectal tumors from patients with nereditary nonpolyposis colorectal cancer and Turcot syndrome"Oncogene. 20(37). 5215-5218 (2001)
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[Publications] Burke B 他: "Divergent adaptation of tRNA recognition by Methanococcus jannaschii prolyl-tRNA synthetase"J Biol Chem. 276(23). 20286-20291 (2001)
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[Publications] Cen S 他: "Incorporation of lysyl-tRNA synthetase into human immunodeficiency virus type 1"J Virol. 75(11). 5043-5048 (2001)
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[Publications] 芝 清隆: "蛋白質にひそむくり返し構造--くり返し原理による人工蛋白質の試み"蛋白質核酸酵素. 46(1). 16-25 (2001)