2002 Fiscal Year Annual Research Report
本態性高血圧症の発症、進展に関与する遺伝因子の解明
Project/Area Number |
13204050
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60107042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝谷 友宏 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30311757)
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Keywords | 遺伝子多型 / 対立遺伝子 / 疾患感受性 / SNPs / 高血圧 / TaqMan / レニン-アンジオテンシン系 / 環境・遺伝相互作用 |
Research Abstract |
ゲノム医科学の高血圧部会では、高血圧診断基準を揃えた上で、検体および基本的情報を集約し、多型解析センター等を活用することによるゲノムスクリーニングを実施している。本研究では、重症高血圧および高齢正常血圧(ケース・コントロール)の10万SNPs,3万マイクロサテライトマーカーを検討し、日本人高血圧感受性遺伝子を同定することを目指しており、本年度は3省庁合同ヒトゲノム解析倫理指針に基づいた検体の収集に専念した結果、部会内で最大の検体数を新たに収集した。本施設から提供されたDNAはゲノムスクリーニングに堪えうる十分な量を確保しているため、他施設と異なり、SNPsとマイクロサテライトに同じ検体を提供できた点が特筆すべき箇所と考える。 一方、東北地方農村部における大規模前向き研究(0研究)では、家庭血圧と24時間血圧測定が数千人規模で実施され、血圧に関する豊富な表現型が把握されている。高血圧感受性遺伝子同定のための新しいケース・コントロール研究の実施により、αアデュシン遺伝子多型が低レニン性高血圧リスクとなることを示したほか、キマーゼ遺伝子多型が血圧とは関連しないが末梢からのHDLコレステロール輸送に関連すること、0研究ではACE/DDの影響は小さいことなども報告した。また、都市部一般住民における大規模前向き研究(S研究)では、アルツハイマー病や動脈硬化リスクとされるアポサポ蛋白Eのε4アリルが、若年者では高血圧に抑制的に働くことを示した。さらに、都市部地域集団において、一般住民とケース・コントロールを同時に収集する新たな遺伝疫学研究(A研究)の立ち上げに成功し、これまでに3000人以上の検体収集に成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Morimoto S, Katsuya T, Ogihara T, et al.: "Deletion allele of the angiotensin-converting enzyme gene as a risk factor for pneumonia in elderly patients"Am J Med.. 112. 89-94 (2002)
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[Publications] Sugimoto K, Katsuya T, Ogihara T, et al.: "Alpha-Adducin Gly46OTrp polymorphism is associated with low renin hypertension in younger subjects in the Ohasama study"J Hypertens. 20(9). 1779-1784 (2002)
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[Publications] Katsuya T, Ogihara T, et al.: "Epsilon 4 allele of apolipoprotein E gene associates with lower blood pressure in young Japanese subjects : the Suita Study"J Hypertens. 20(10). 2017-2121 (2002)
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[Publications] Fukuda M, Katsuya T, Ogihara T, et al.: "Association of a mast cell chymase gene variant with HDL cholesterol, but not with blood pressure in the Ohasama study"Hypertens Res. 25(2). 179-184 (2002)
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[Publications] Matsubara M, Katsuya T, Ogihara T, et al.: "Angiotensin-converting enzyme I/D polymorphism and hypertension : the Ohasama study"J Hypertens. 20(6). 1121-1126 (2002)
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[Publications] Iwai N, Katsuya T, Ogihara T, et al.: "Association between SAH, an acyl-CoA synthetase gene, and hypertriglyceridemia, obesity, and hypertension"Circulation. 105(1). 41-47 (2002)