2004 Fiscal Year Annual Research Report
本態性高血圧症の発症、進展に関与する遺伝因子の解明
Project/Area Number |
13204050
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60107042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝谷 友宏 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30311757)
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Keywords | 遺伝子多型 / 対立遺伝子 / 疾患感受性 / SNPs / 高血圧 / 薬剤反応性 / ゲノムスキャン / 環境・遺伝相互作用 |
Research Abstract |
ゲノム医科学・高血圧部会では、高血圧診断基準を揃えた上で、検体および基本的情報を集約し、多型解析センター等を活用することによるゲノムスクリーニングを実施している。本研究では、重症高血圧および高齢正常血圧(ケース・コントロール)の10万SNPs,3万マイクロサテライトマーカーを検討し、日本人高血圧感受性遺伝子を同定することを目指しているが、最終年度中には、我々が収集した尼崎研究における一般集団として5700人、重症高血圧患者および高齢正常血圧者を計590人のDNAから抽出した3次スクリーニング用の対照・症例を用いて最終候補(現段階で4個)の絞り込み、及び周辺領域の検討を行っている。同時に部会内共同研究を400を越える候補遺伝子アプローチにより進め、case-control併せて1700名を越えるサンプルを用いて解析の結果、十数個の有意な関連を示す遺伝子を同定するとともに、特定の系へのクラスタリングも観察した。一方個別研究では、H研究において、低アディポネクチン血症がインスリン抵抗性が無い状態でも血圧上昇に関与し、I164T多型保有者では9割以上で高血圧を呈することを明らかにした(Hypertension 2004)。また、遺伝性低血圧症の原因遺伝子であるサイアザイド感受性NaCl共輸送体(TSC)遺伝子の多型が、女性において早期発症高血圧リスクとなることを示した(J Hypertens 2004)。0研究において、アンジオテンシンII-1型受容体(AT1)遺伝子多型は高血圧と関連を認めなかった(Hypertens Res 2004)。また、アドレナリンβ1受容体遺伝子多型が、夜間血圧上昇や心拍数亢進、無症候性脳梗塞リスクとなることも示した(Circulation, in submission)。TSC遺伝子多型の異なる対象者に、利尿薬投与前後の末梢血トランスクリプトーム解析を実施し、34000遺伝子のアレイ解析を行った結果、投薬、遺伝子多型により発現の変化する遺伝子群を明らかにした。
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Research Products
(6 results)