2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13204058
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Research Institution | Division of Diabetes, Digestive and Kidney Diseases, Department of Clinical Molecular Medicine, Kobe University Graduate School of Medicine, |
Principal Investigator |
春日 雅人 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50161047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 安彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60143434)
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Keywords | PKCλ / Munc 18c / p27^<kip1> / UCP1 |
Research Abstract |
研究代表者の春日らは、遺伝子操作によって作製したマウスを用いてインスリン作用機序の解明を行った。 膵β細胞特異的にPKCλを欠損するマウスを作製すると、ブドウ糖応答性のインスリン分泌の障害をきたし、耐糖能異常を示しだ。PKCλがβ細胞機能に重要な遺伝子発現の調節を介して、ブドウ糖応答性のインスリン分泌を制御していることを明らかとした。 また、小胞と細胞膜との融合に重要な働きをするMunc 18cを欠損するマウスを作製した。胎生致死であったため、胎児より線維芽細胞を作成しそれを脂肪細胞に分化させてこの蛋白の機能を解析した結果、Munc 18cはインスリン依存性糖輸送において抑制的働きをしていることを見い出した。 さらに、ヒトやマウスの糖尿病モデルの膵β細胞でCDKインヒビターp27^<kip1>の発現が増加していることを見出した。そこで、2型糖尿病モデルのdb/dbマウスでp27^<kip1>遺伝子を欠損させたところ膵β細胞量が増加し、血中インスリン値の増加および血糖値の改善を示した。p27^<kip1>が膵β細胞に蓄積することにより、膵β細胞の増殖が抑制され、2型糖尿病モデルマウスの糖尿病発症の病因に関与することを明らかとした。 また候補遺伝子のSNP解析において患者対照関連解析を行うとともに、magnetic resonance spectroscopy (MRS)により骨格筋細胞内脂肪含量(IMCL)や肝細胞内脂肪含量(HLC)などを測定し、これらを含む詳細な臨床情報との関連も検討した。UCP1選伝子の5'UTRに存在するA/C多型が2型糖尿病と関連があることを以前報告したが、2型糖尿病患者93名でこのSNPと詳細な臨床情報との関連を検討した結果、Cアリル保持者はHLC、HOMA-IRが有意に高く、インスリン抵抗性が強いことを認めた。
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Research Products
(5 results)