2001 Fiscal Year Annual Research Report
II型糖尿病の遺伝要因のゲノム的解析と分子病態の解明
Project/Area Number |
13204065
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
蛯名 洋介 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (00112227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 利之 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (40325296)
湯浅 智之 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (50304556)
岸 和弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (70284320)
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Keywords | II型糖尿病 / インスリン受容体遺伝子 / ポリモルフィズム / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
II型糖尿病は複数の遺伝子異常が関与すると考えられる多遺伝子疾患である。しかし、昔は孤立した地域ごとに比較的少数の糖尿病発症遺伝子変異が集積していたと考える。これらの遺伝子変異は寿命が短くかつ飽食でなかった時代には糖尿病を起こすまでには至らなかったと予想されるが、高齢化、飽食の時代になると、これら少数の遺伝子変異も糖尿病の病因となってきたと考えられる。そして近年になり交通の発達に伴い異なる地域の人々が婚姻関係を結ぶことにより、その子孫がより多くの病因遺伝子を獲得し、糖尿病などのより複雑な多遺伝子疾患が形成されていったと同時に患者も増加していったと考える。II型糖尿病の多発する孤立した地域の患者の遺伝子を検索すると少数の遺伝子変異により糖尿病になっている可能性が高いと予想される。又そのような遺伝子異常は多遺伝子疾患の中でも同定しやすい可能性がある。徳島県の山間部の病院では血縁関係のある糖尿病患者が集積している所があり、人的交流が少ないため比較的単純なしかも同じような遺伝子変異が病因となっている可能性が高いと考えられる。 1.II型糖尿病関連遺伝子のポリモルフイズムと糖尿病発症との関連を検索しており、現在企業との共同研究で特許取得を目指して進めている。 2.プロテオーム解析により新規の複数の糖尿病候補遺伝子を得るプロジェクトも進めている。インスリン刺激でリン酸化されるタンパク質群を質量分析器により部分アミノ酸配列を決定し、ゲノム情報cDNA情報とのコンピューター解析により、それらリン酸タンパク群をcDNAの型で明らかにし糖尿病解明に役立てる。これは領域3(ゲノム生物学)の計画研究代表者である理研播磨研究所・谷口寿章博士のグループと共同研究で進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Keisuke Ishizawa: "Effects of losartan in combination with or without exercise on insulin resistance in Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty rats"Eur. J. Pharmacol.. 430. 359-367 (2001)
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[Publications] Charles W. Heilig: "Antisense GLUT-1 protects mesangial cells from glucose induction of GLUT-1 and fibronectin expression"Am. J. Physiol. Renal. Physiol.. 280. F657-F666 (2001)
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[Publications] Kazuaki Yoshizato: "Identification of a cis-Acting Element and a Noveltrans-Acting Factor of the Human Insulin Receptor Gene in HepG2 and Rat Liver Cells"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 280. 428-434 (2001)