2001 Fiscal Year Annual Research Report
解毒・排出系の遺伝子多型に基づく薬剤応答、副作用の予測
Project/Area Number |
13204069
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和田 守正 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20220965)
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Keywords | 薬効 / 副作用 / テーラーメード治療 / ABCトランスポーター / MRP2 / 遺伝子多型 / 発現レベル / 基質スクリーニング |
Research Abstract |
薬効、副作用の遺伝的背景を把握して、遺伝子多型に基づく、個々人に最適化されたテーラーメード治療の実現が期待されるが、ようやく始まったばかりである。薬剤の解毒酵素系の遺伝子多型が薬剤への応答性に重大な影響を持つと考えられているが、解毒抱合体の生体外への排出機構も薬剤の体内動態に関与することが明らかにされはじめた。このような背景から本研究は、薬剤の排出機構を担うABCトランスポーター遺伝子群を対象として、遺伝子多型に基づいた薬効、副作用の予測系の構築を目指す。今年度は以下の成果を挙げた。 【1】MRP2遺伝子につき、35個のエキソンと周辺イントロンおよびプロモーター4kbにつき遺伝子多型の収集を完了した。その結果、それぞれの領域に5ヶ所、6ヶ所および10ヶ所の多型を同定した。【2】喘息患者に対するロイコトリエン阻害剤、および小児白血病患者に対する抗がん剤の薬効、副作用データおよび末梢血検体の収集を、患者の同意を得て進行中。【3】ABCトランスポーターの基質薬剤データベースを作成するために、MDR1、MRP1、MRP2およびMRP3遺伝子の導入細胞を用いて、蛍光モデル基質の輸送に対する阻害活性を指標にする基質スクリーニング系構築の予備実験を終了した。【4】遺伝子多型とともにエピジェネティックな機構が異物排出ポンプ発現量の個人差に関与していることが示唆された。今回同定された多型のうちSNPデータベースに登録されているものはエキソン1の多型のみであった。また、データベースに登録されているエキソン30の多型は同定されなかった。人種差も考慮に入れて、やはり独自に検討する必要があると考えている。また、現在肝および大腸癌患者の非癌部検体を用いて、同定された多型とMRP2の発現レベルとの相関解析を行っており、プロモーターの多型と発現レベルが相関する結果を得ている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nagayama, J. et al.: "Retrovirus insertion and transcriptional activation of the multidrug resistance (mdr1 a) gene in leukemias treated by a chemotherapeutic agent in vivo"Blood. 97. 759-766 (2001)
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[Publications] Tada, Y. et al.: "MDR1 gene overexpression and altered degree of methylation at the promoter region in bladder cancer during chemotherapeutic treatment"Clinical Cancer Research. 6. 4618-4627 (2000)
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[Publications] Harada, T. et al.: "The specific expression of three novel splice variant forms of human metalloprotease-like disintegrin-like cystein-rich protein 2 gene in brain tissues and gliomas"Japanese Journal of Cancer Reseach. 91. 1-6 (2000)
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[Publications] Harada, T. et al.: "Alu-associated interstitial deletions and chromosomal rearrangement in two human multidrug resistant cell lines"International Journal of Cancer. 86. 506-511 (2000)