2004 Fiscal Year Annual Research Report
食塩感受性の人種的特異性および遺伝的素因に関する研究
Project/Area Number |
13204095
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Research Institution | International Medical Center of Japan (Research Institute) |
Principal Investigator |
加藤 規弘 国立国際医療センター(研究所), 遺伝子診断治療開発研究部, 部長 (80293934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳内 和幸 国立国際医療センター(研究所), 遺伝子診断治療開発研究部, 室長 (30360704)
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Keywords | 食塩感受性 / 高血圧 / 遺伝子解析 / 人種的特異性 / 水電解質輸送 / ナトリウム利尿ペプチド |
Research Abstract |
本研究は、高血圧の遺伝素因解明に向けた一つのアプローチとして食塩感受性に着目した。従来より食塩感受性の頻度に少なからず人種差が存在すると推定されてきたが、その定義や測定方法が報告間で必ずしも一致しないために相互に評価することが困難であった。そこで我々は先ずパイロット・スタディを行い、簡便かつ実用的な2週間のプロトコールを作成し、そのうえで日本人健常者95名で食塩感受性の評価を行ってきた。 本年度は、(1)食塩感受性候補遺伝子34個について、日本人48人をdirect sequenceして同定した471箇所のSNPsに関し、連鎖不平衡、アレル頻度情報および系統樹の情報を基にtag SNPを選出した(合計166)。(2)日本人食塩感受性パネル(95名)において56 traitsに対して量的形質解析を行ったところ、平均血圧の変化とAGTR2の多型、HOMA指数の変化とACEの多型とが有意な関連を示した(P<1.0×10^<-3>)。また一般人口集団1200名余でのcase-control studyを行ったところ、対象とした食塩感受性候補遺伝子のうち、4つのSNPと高血圧との有意な関連を認めた。うち一つのSNPに関しては、5800名のコホートでも追試できた。(3)WHO国際共同研究センター及びタンザニアのムヒンビリ大学と共同してアフリカ黒人に対する食塩感受性評価のパイロットスタディ(n=60)が実施され、その結果を踏まえて、平成16年9月に本スタディが開始した。(4)高血圧のモデル動物SHRに対して、一ヶ月間の食塩負荷操作を行い、その前後での遺伝子発現変化をDNA microarray法にて調べた結果、発現レベルの大きく変動する遺伝子リストが得られた。
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Research Products
(4 results)