2001 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質化学機能の立体構造からの第一原理的予測法の開発
Project/Area Number |
13208004
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
池口 満徳 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (60261955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 賢吾 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助手 (60332293)
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Keywords | 蛋白質 / 立体構造 / バイオインフォマティクス / 分子シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、構造ゲノムプロジェクトの進展を念頭において、タンパク質の立体構造情報からその機能を予測する「第一原理的機能予測法」の開発を目指した。そこでは、従来行われていたような進化的類縁関係(配列の類似性)からの機能の類推ではなく、タンパク質の立体構造-機能相関というタンパク質の機能を直接決めているメカニズムを解明し利用することを目指す。このために(1)構造および機能がわかっているタンパク質のデータベースを構築し、(2)このデータベースから構造機能相関の経験的ルールを導き出し、(3)分子シミュレーションを使って経験的ルールの物理化学的な基礎付けと一般化を狙った。本研究では、立体構造の蓄積のあるモノヌクレオチド結合タンパク質を取り上げた。 本年度は、モノヌクレオチド結合蛋白質データベースの整備を行い、結合部位の立体構造の分類、代表決定を行った。その結果、103スーパーファミリー内に1137種の認識構造を同定した。本研究は、タンパク質のモノヌクレオチド結合について体系的に整理、解析した初めてのものである。 また、分子認識に対する動的揺らぎの影響を調べるため、高精度で高効率な分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発を行った。このソフトウエアの並列化効率、精度は、世界的に高いレベルにある。さらに、このソフトウエアを適用して、モノヌクレオチド結合タンパク質である酵素HPPKに対する分子動力学計算を行い、モノヌクレオチド結合部位周辺の動きの解析を行った。その結果、非結合状態での蛋白質の熱揺らぎの中に、分子認識によって誘起される構造変化が内在していることが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Nakamura, D.Kyono, M.Ikeguchi, K.Shimizu: "A New Method for Parallel Computation of Hessian Matrix of Conformational Energy Function in Internal Coordinates"Journal of Computational Chemistry. 23. 463-469 (2002)
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[Publications] Jee, Ikegami, Hashimoto, Kawabata, Ikeguchi, Watanabe, Shirakawa: "Solution Structure of the Fibronectin Type III Domain from Bacillus circulans WL-12 Chitinase A1"Journal of Biological Chemistry. 277. 1388-1397 (2002)
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[Publications] Kengo Kinoshita, et al.: "Analysis of Complementarity of Protein-Protein and Protein-DNA Interactions Using the Molecular Surface Database,eF-site"Genome Informatics. 12. 345-347 (2001)
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[Publications] Matsushita, Kinoshita, Matsuoka, Fujita, Fujikado, Tano, Nakamura, Kurachi: "Intramolecular interaction of SUR2 subtypes for intracellular ADP-induced differential control of KATP channels"Circulation Research. (印刷中).