2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13208010
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
木寺 詔紀 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (00186280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北尾 彰朗 日本原子力研究所, 計算科学技術推進センター, 研究員 (30252422)
池口 満徳 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (60261955)
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Keywords | タンパク質複合体 / 立体構造 / 分子機能 / 構造予測 / 線形応答 / NMR / 中性子散乱 |
Research Abstract |
(1)タンパク質複合体の構造予測 基質結合に伴うタンパク質の立体構造変化を研究した。Protein Data Bankには、基質結合状態と非結合状態の両者の立体構造がそろっているタンパク質が数多く蓄積されている。それらを用いて構造変化の一般論を定式化することがここでの目的である。第1次近似として、基質結合に伴う応答を線型のレベルで扱い、以下の定式化を得た。<Δr_i>_1,=βΣ_j<Δr_iΔr_j>_0f_jここで、<Δr_i>_1は基質結合に伴う原子iの構造変化、<Δr_iΔr_j>_0は非摂動状態でのゆらぎの分散共分散行列、f_jは原子jにかかる外力である。このように、線型的な描像では、応答の挙動は非結合状態のゆらぎによって決まる。基質結合前後のふたつの結晶構造を用い、多くの例で上式の予測が、結晶構造の差を説明し得ることを示した。この理論によって、タンパク質複合体の立体構造を単体の構造から予測する道が開けたと言える。 (2)実験情報の解析 NMRの実験データに基づく蛋白質の動的立体構造決定法の改良を進め、翻訳開始因子への応用を開始した。また、中性子散乱スペクトルの予測を分子シミュレーションに基づいておこない、測定装置の解像度・配置の提言をおこなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] R.Koike, K.Kinoshita, A.Kidera: "Ring and zipper formation is the key to understanding the structural variety in all beta proteins"FEBS Letters. 533. 9-13 (2003)
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[Publications] T.Terada, Y.Matsuo, A.Kidera: "A method for evaluating multicanonical potential function without iterative refinement : Application to conformational sampling of a globular protein in water"Journal of Chemical Physics. 118. 4306-4311 (2003)
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[Publications] A.Kitao, M.Takeda: "The Effects of Solvent and Anharmonicity on Incoherent Inelastic Neutron Scattering Spectra of Proteins"Journal of Neutron Research. 10. 143-147 (2002)
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[Publications] 北尾彰朗: "生態系のコンピュータ・シミュレーション(分担執筆)"化学同人. 9 (2002)