2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13208010
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
木寺 詔紀 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (00186280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池口 満徳 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (60261955)
北尾 彰朗 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (30252422)
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Keywords | タンパク質複合体 / タンパク質立体構造 / タンパク質機能 / ダイナミクプログラミング / 確率的アライメント法 / 線形応答理論 / ダイナミクス / 中性子散乱 |
Research Abstract |
タンパク質の基質非結合状態におけるゆらぎと基質結合による摂動力から、タンパク質の構造変化を予測する理論を、統計力学における線形応答理論をベースに構築した。その理論の検証として、数種のタンパク質の分子動力学シミュレーションを行い、基質結合に伴う構造変化の予測が、実際の結晶構造に基づく構造変化とよく相関しているという結果を得た。また、理論を内部座標系(二面角系)に拡張し、基質結合に伴うドメイン運動(多くが回転運動として捉えられる)をより正確に予測できるようにした。 分子動力学シミュレーションのためのプログラムシステムMARBLEは、数多くの系への適用の結果、十分な並列化の成果として分散メモリー計算機において極めて高速な計算が可能であり、部分剛体シンプレクテイックインテグレータの採用により安定したトラジェクトリーを与えることが確認された。また、NVE、NVT、NPT、NPAT、NPγT、等の種々のアンサンブルに対応しており、脂質2重膜のような非等方的な系への適用を可能にしている。 分子シミュレーションと実験データを用いて構造ゆらぎのパターンと非干渉性中性子非弾性散乱実験データの関係を解析した。これにより150K以下の低温で観測されるボゾンピークの起源は水和によるエネルギー面上の微細構造に起因することを明らかにし、機能と密接に関与しているといわれているガラス転移との関係も示した。今後の課題は原子間の相関情報を含む干渉性中性子散乱スペクトルから有用なデータをどのように抽出するかという点である。
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Research Products
(6 results)