2003 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド前駆体セクレターゼ活性をモジュレートする分子による治療薬の開発
Project/Area Number |
13210027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石浦 章一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10158743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹川 昇 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70302817)
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Keywords | 老化 / 脳神経疾患 / 遺伝子 / 蛋白質 / 神経科学 |
Research Abstract |
本研究は、アルツハイマー病に特徴的なアミロイドの沈着に関係するプロテアーゼの詳細な研究である。 まず、アルツハイマー病アミロイドβタンパク質の沈着の第一段階を触媒するβセクレターゼ(BACE1)阻害剤の効果をin vivoで検討を行った。まず、BACE1過剰発現HEK細胞にヒドロキシエチレン・イソステア骨格を持つ阻害剤を添加し、sAPPβの分泌量を測定したところ、KMI358、KMI370という阻害剤によって濃度依存的に阻害できることを発見した。現在、家族性アルツハイマー病変異を持つトランスジェニックマウスTg2576の海馬に直接阻害剤を注入し効果を判定することを試みている。 βタンパク質の沈着を抑えるために、食物ワクチンの作成も試みている。GFPにβタンパク質を融合させたものをピーマン葉に発現させた。これをホモジナイズし、マウスに経口投与した。対照として、皮下投与も行った。皮下投与によって抗体価が上昇したが、経口投与では上昇程度は低いことがわかった。 また、アミロイドβタンパク質の沈着を阻止する方向に働くαセクレターゼとして新たにADAM19を同定した。活性のないADAM12と活性のあるADAM19のキメラコンストラクトを作成し、どの部分にαセクレターゼ活性があるかを調べたところ、N末端のプロテアーゼ活性部位がADAM19であるときにAPPを切断する活性を持つことが判明した。この研究と、以前の私たちの研究によって、ADAMファミリーメタロプロテアーゼのうち、9、10、17、19の4種類がαセクレターゼとして働いていることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Asai, M: "Putative function of ADAM9, ADAM 10, and ADAM 17 as APP α-secretase."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 301. 231-235 (2003)
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[Publications] Sato, T: "Potential link between amyloid beta protein 42 and C-terminal fragment gamma49-99 of beta amyloid precursor protein."J.Biol.Chem.. 278. 24294-24301 (2003)
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[Publications] Shuto, D: "KMI-008, a novel beta-secretase inhibitor containing a hydroxymethylcarbonyl isostere as a transition-state mimic : Design and synthesis of substrate-based octapeptides."Bioorg.Med.Chem.Lett.. 13. 4273-4276 (2003)
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[Publications] Kinouchi, T: "Mammalian D-aspartyl endopeptidase : a scavenger for noxious racemized proteins in aging."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 314. 730-736 (2004)
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[Publications] Ito, N: "ADAMs, a disintegrin metalloproteinases, mediate shedding of oxytocinase."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 314. 1008-1013 (2004)
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[Publications] Kimura, T: "KMI-358 and KMI-370, highly potent and small-sized BACE1 inhibitors containing phenylnorstatine."Bioorg.Med.Chem.Lett.. 14. 1527-1531 (2004)