2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13210045
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
浜崎 浩子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00211483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 文彦 日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | 刷り込み行動 / 鳥類胚 / 脳原基移植 / WGA |
Research Abstract |
鳥類の雛では、親鳥の姿を記憶して追従するという刷り込み行動などの記憶・学習行動が観察される。本研究は、この学習行動の成立の基盤となるIMHVやLPを中心とした脳領域の、学習行動の成立に伴う形成様式を明らかにすることを目的としている。 1.鳥類の学習行動に重要であるIMHVの発生起源について ウズラ細胞に特異的に備わった形態学的特徴を利用したウズラ・ニワトリキメラを用いた解析、また、Dilを用いた解析によって、IMHVは終脳の吻側の一部から分化してくることが明らかになってきた。これは、少なくとも背側部については、前脳胞の吻側部に由来する部分のみが細胞増殖・移動を経て終脳に分化することを示しており、初期脳において細胞増殖・移動によるダイナミックな形態形成がおきていることを示す。また胚時期からのIMHVを中心とした神経回路の発達について調べることが重要であると考えて、神経回路を可視化できるWGA(小麦胚芽レクチン)をEGFPと共にウイルスベクターを用いてトリ胚脳原基に発現させる手法を確立した。今後、移植によってIMHVの発生起源とその神経回路を明らかにしたい。 2.ニワトリ雛とウズラ雛における刷り込み行動の特性について 刷り込み行動を評価するための実験装置を創価大学より借り受け、孵化後約12時間のニワトリ雛を用いて実験を行った。赤い円筒を刺激として刷り込み実験を行った結果、赤い円筒と青い箱を見分けて赤い筒に対して明らかな嗜好性を示して走り寄る行動が見られた。青い箱に対しても同様に刷り込み行動をおこすことができた。しかし、この行動は3日程度で消失した。ニワトリ雛が刷り込み行動の成立・消失の機構を調べる上で良いモデルとなることが明らかとなった。今後、この刷り込み行動に伴う神経細胞の構築様式、数、回路の変化について形態学的に調べることをめざす。
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Research Products
(1 results)