2001 Fiscal Year Annual Research Report
FILIPによる神経上皮からの細胞移動の制御メカニズムについて
Project/Area Number |
13210061
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
佐藤 真 福井医科大学, 医学部, 教授 (10222019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 秀司 福井医科大学, 医学部, 助手 (10303372)
永野 隆 福井医科大学, 医学部, 助手 (70272854)
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Keywords | 神経上皮 / 脳室帯 / 大脳皮質 / perirentricular heterotopia / フィラミン1 / フィラミンA / radial migration / 層形成 |
Research Abstract |
我々は、大脳皮質の形成時に脳室帯(神経上皮)に発現し、脳室帯からの大脳皮質表面へ向けての放射状の細胞移動の開始を調節する新規分子S-FILIP、及びそのスプライシングバリアントであるL-FILIPをラットにて同定した。L-FILIPはS-FILIPに加えN端側に247アミノ酸が加わった分子である。FILIPは、アクチンフィラメント結合分子であるフィラミンA(フィラミン1)にS-、L-FILIPに共通のC端側で結合した。現在までにFILIPによりフィラミンA(フィラミン1)の分解が促進され、その結果細胞内の繊維状アクチンが低形成となり、lamellipodiaの形成低下、そして脳室帯からの細胞移動の開始が負に調節されることを明らかとした。そして、フィラミンAのFILIP結合部位を同定し、その部位はフィラミンAがカルシウム依存性の蛋白分解酵素カルパインにて切断される部位のごく近傍であり、FILIPによりフィラミンAが分解される過程でカルパインが関わることも明らかとした。特にカルパインの関与については、その阻害剤であるカルペプチン及び細胞内カルシウムをキレートすることにより、FILIPによるフィラミンの分解が阻害され、いわゆるプロテアソームの阻害剤によっても、この分解は影響を受けず、さらには、エンドゾーム系のマーカー分子であるEEA1やLAMP-1とフィラミン、FILIPは共存しないことを併せて確認した。 以上に加えて、L-FILIP結合分子候補を数種同定し検討を行った。更に、FILIPのノックアウト動物の作製を進めた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takamura, Y.: "JDD1, a novel member of DnaJ family, expressed in the germinal zone of the rat brain"Biochem Biophys Res Commun. 285(2). 387-392 (2001)
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[Publications] Suzuki, F.: "Distribution of alpha-1 adrenoceptor subtypes in RNA and protein in rabbit eyes"Br. J. Pharmacol.. 135. 600-608 (2002)
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[Publications] Takamura, Y.: "Increased expression of p21^<WAF1/CIP1> in the lens epithelium of rat sugar cataract"Exp. Eye Res.. (印刷中).